「通報者の特定や探索行為は絶対的に禁止しなければならない」
斎藤知事の発言を見過ごせなくなった消費者庁は4月8日、兵庫県の担当部局に、「消費者庁の公式見解とは異なる」と注意を促すメールを送り、体制整備の対象には外部通報者も含まれると断言した。
「このメールの存在が5月2日に報じられると、斎藤知事は8日の会見で『一般論としての消費者庁の解釈の指摘だと思います』と述べ、消費者庁の注意喚起はあくまで一般論だということにして火消しを図りました。
しかしメールは斎藤知事の会見発言を引用した後で、消費者庁の見解と違うことから『適切な対応をとられるよう何卒よろしくお願い申し上げます』と書いており、斎藤知事に態度を変えることを求めています」(県関係者)
この対立が続く中で行なわれた12日の研修の第2部では、公益通報者保護制度に詳しい日野勝吾・淑徳大学教授が、内部か外部かに関わらず公益通報者の探索はすべて禁じられていると解説した、と県の県政改革課は説明。「通報者の特定や探索行為は絶対的に禁止しなければならない」との強い言葉がつかわれたとも報じられている。
消費者庁の考えと一致する日野教授の講義を受けた斎藤知事。それでも、やはりと言うべきか、「告発文書問題の対応に問題はなかったと考えるか」との質問を受けても「そうですね。これまで会見等で述べさせていただいた通り、県の対応としては適切だったという風に考えてます」と即答した。告発者保護制度についても、研修は知事の考えに影響を与えなかったことがすぐにあらわになった。
「一般の県職員なら処分されるパワハラを自分はやってもおとがめなしだとする知事は、今も職場の問題を職員が外部に告発すれば保護せずAさんのように処分するという考えを持ち続けています。ようやく研修が行なわれても、知事は何にも変わっていません」
県職員がそう嘆く兵庫県庁。「風通しの良い職場」には程遠い日々が続く。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班