「仲間」が「敵」に… 立憲が恐れる「共倒れ」トラウマ
立憲関係者の頭をよぎるのは2022年参院選神奈川選挙区での「共倒れ」トラウマだ。このときは、本来の定数4に、3年任期の1も加えた「4+1」議席を争う構図だった。立憲は2人を擁立したが、本来の定数4は自民2人、維新1人、公明1人で埋まり、立憲は3年任期の1議席をかろうじて獲得できただけという、「ほぼ共倒れ」の状態だった。
「このときも、単純に立憲候補2人の票を足せば、4議席目までに入るだけの票数は獲得できていました。2人立てて票が割れたことは戦略ミスと言われても仕方ありません」(立憲関係者)
そして、選挙中には同じ党の「仲間」が「敵」になってしまう泥沼の様相も。
「同じ党から2人出すと、ただでさえ支持者の取り合いが生まれます。さらに選挙期間中の情勢調査でこのままでは共倒れの可能性も高いと分かり、2人目の当選はあきらめて、先行している1人目に票を集中させようという動きもありました。当然、2人目の陣営や支援者は反発。党内にしこりが残りました」(同前)
2022年の東京選挙区では、立憲は蓮舫氏と新顔の2人を擁立。蓮舫氏に圧倒的な集票力があったため、組織票を新顔に回すなど調整をする余裕もあったが、今回は塩村氏、奥村氏の2人とも現職で「お互いに相手が『敵』で、2人とも票の取り合いに必死。仮に共倒れしたら、都連幹部の責任も問われて大変なことになるのでは」(立憲都連関係者)という状況だ。
無党派層が多く、これまでも当選ライン上ではギリギリの戦いが繰り広げられてきた東京選挙区。組織票だけでは測れない、勝負の行方は…。そして「6+1」議席からあぶれた政党は、立て直しを図れるか。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班