6議席目と7議席目では天と地 これまでより「指定席」が減少

 自民、公明、立憲、共産、国民民主、日本維新の会、れいわと、主要政党だけで10人が出馬すると、少なくともこの中から3人は当選ラインに届かないこととなる。

さらに、6議席目までは6年の任期だが、7議席目は3年しか任期がない。3年後には2022年当選組とともに改選を迎えるうえ、2022年の東京選挙区の当選組に同じ党の現職がいる場合、2028年の参院選に向けて候補者調整が必要になる場合もある。6議席目と7議席目では「天と地」ほどの差があるというわけだ。

では、現状の情勢はどうか。

「自民は裏金問題などの逆風もありますが、1議席はとれるでしょう。組織票がある共産、公明も1議席の指定席は死守できるとみられます。勢いのある国民民主も、このままいけば1議席はとれるとの見方がもっぱらで、その分前回、前々回の参院選で主要政党が分け合ってきた『指定席』が減りそうです」(全国紙政治部記者)

となると、ここまでで4議席。それ以外の「2+1」議席をめぐる激しい争いが繰り広げられることとなる。

自民党の武見氏(本人SNSより)
自民党の武見氏(本人SNSより)

「2+1」議席に滑り込む可能性があるのははたしてどの党の候補者か。

「東京は浮動票が多く、永田町では、国民民主が2議席目を獲得してもおかしくない勢いだと話題になっています。自民は2人目の候補者が決まっていませんが、いずれにせよ安倍派だけでなく都議会自民党の裏金問題もあって6月の都議選での苦戦も予想され、そこから参院選で2議席獲得するのは容易ではありません。維新は2019年に1議席獲得しましたが、党勢が低迷している現在、こちらも1議席を獲得するのは大変です」(全国紙政治部記者)

そして、これまで指定席「1」を獲得してきた、あの政党の苦戦もささやかれる。

「立憲は前回、前々回と2人擁立し、1人を当選させてきました。これまでの立憲の支持率や組織票を考えると、1議席は固かったので、組織の引き締めや比例票の掘り起こしのためにも2人を擁立してきましたが、今回はその作戦が裏目に出てしまうかもしれません」(立憲東京都連関係者)

蓮舫氏の席は誰に…(撮影/集英社オンライン)
蓮舫氏の席は誰に…(撮影/集英社オンライン)

2017年に立憲という政党が立ち上がり、まだブームの余韻が残っていた2019年、そして圧倒的知名度を誇る蓮舫氏が東京選挙区に出馬した2022年は1議席を獲得できたものの、支持率が低迷し、浮動票が国民民主に流れていきそうな今回は、1議席の獲得も決して楽観視できないというのだ。