投資で富裕層になるために知っておきたい順序
「お金に余裕はないけれど、投資で成功して富裕層になりたい」と考えている人が、覚えておきたいお金を増やすための順序があります。
まずはある程度の原資となる自己資金、つまり「お金」。次に、投資の「経験値」。そして、良質な情報源となる「人脈」という3要素が、「お金→経験値→人脈」の順番に必要になる、ということです。
もしここで、「原資も投資経験もコネもないから、富裕層になるチャンスはないのか……」と考えるなら、それは、「海外の人と会話したいけれど、語学学習なしで突然話せるようになる学習法」や「痩せたいけれど、ダイエットは苦手なので飲めば体重がみるみる落ちるサプリ」を探しているのと同じことです。
いつか突然、投資用のお金が転がり込んでくることはあり得ません。そして、そのような夢を見たい人が溢れているからこそ、「投資」「語学学習」「ダイエット」の3つの領域が、いつの時代も、怪しいセミナーや、誇大広告のトップスリーを占めているのです。
だったら、どうするか?
1000円でも1万円でもいいので、とにかく投資をはじめてみることです。
1000円で投資をスタートして、仮にそれが成功して倍額になったとしても、たったの1000円の利益ではうれしくないかもしれません。
ですが、それは「原資を使って投資する」という意味では、1億を2億に増やすスキルが身につくのと同じことなのです。やや専門的ですが、原資が小さいほどお金の流動性が高いという意味で、少額投資のほうが増やしやすいのです。
少額で投資をはじめれば、失敗した際のリスクも限定的なうえに、繰り返すことで経験値を増やすことができます。また投資をはじめる前後での大きな違いがカラーバス効果による便益です。
カラーバス効果とは、直感や経験による先入観によって、それがたとえ合理的ではなかったとしても誤った判断をしてしまう「認知バイアス」という心理現象の一種です。具体的には、ある特定のことを意識しはじめると、日常生活のなかでその特定の情報が自然と目に飛び込んでくるようになること。それがカラーバス効果です。
新しい趣味をはじめたら、今までまったく目に入らなかったのに、街にはその趣味に関する広告や商品がたくさんあることに気がつき、まるで世の中のトレンドであるかのように錯覚してしまった。もっとカジュアルな話では、占いでラッキーカラーを見た途端、一日中その色のものが目に入ってくる、といったものです。
たとえば、自動車関連の株に投資をしたとします。すると、カラーバス効果により、ものの見方が変わってくるのを実感できるはず。
今まで新聞を読んでいても目に入らなかった記事に目がとまり、道路を走っている車を見ても「この車は、ガソリン車かなEV車かな」「最近、韓国の車も増えてきたな」というように、車関連の情報が気になりはじめます。
そうなると、株価が暴落したときも「ああ、トヨタ株の時価総額は何千億も落ちたのか」などと市場の動向も見えてくるようになります。投資をしている人からすると大打撃ですが、投資をはじめてもいない人にとっては何も起こっていないのと同じ状態でしかありません。
たとえ1000円でも、投資をしている人としていない人とでは、ものの見方が変わり、投資の相場観を養う力に差が出るのです。このようにして経験値を積んでいきます。