富裕層へのルートは「金融エリート系」か 「ベンチャー経営者系」

ゴールドマン・サックス時代には、年収1億円以上の人たちはもちろん、とある国の王様クラスのような規格外のお金持ちとの出会いも数多くありました。それもあり、「本物のお金持ちって、どんな人?」と富裕層の実態や生態系について質問されることも少なくありません。

「億のお金を動かしている人」と聞いて、文化や芸術、スポーツなどの分野で天才的才能をもって富を築いた人以外に、これまで出会ってきた人たちから僕が思い浮かべる人物像は2パターンです。2パターンとは「金融エリート系」と「ベンチャー経営者系」。これが現代の富裕層を代表するペルソナではないでしょうか。

もちろんあくまでイメージですが、「こういう人もいるんだな」と思って読んでくだされば幸いです。それぞれの生態を考察していきます。

富裕層が多く勤務する港区
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「金融エリート系」出身の富裕層の実態

金融エリート系出身の富裕層の例として僕がイメージするのは、ビジネスマンとして駆け出しの頃ではなく、30代後半〜40代半ばくらいになって億のお金を手にしている人です。

ルーツとしては、中高生時代からエリートで国内大学では東大、京大、一橋、東工大、慶応クラスの大学に進学。あるいは、高校や大学時代から海外留学を経験し、そのまま欧米の一流大学に進んでいることもあります。

その後、投資銀行や戦略コンサル会社を渡り歩く、というのもよく見るパターンです。ビジネスキャリアのスタートが外資系ではなく日系企業のケースもあり、その場合、途中でMBAホルダーになって外資系企業に転職してくるという道も。

いずれにしても、こんなにピカピカのエリートの人たちでも、億を超えるには高いハードルがあるといいます。これまでの給与形態や定期昇給に頼るだけでは限界があり、どんなに優秀な人でも「5000万円の壁」があって、億を超えていくのはなかなか難しい、という話を聞いたこともあります。

彼らのお金を稼ぐ過程にホップ、ステップ、ジャンプがあるとしたら、間違いなくジャンプはファンド。つまり、投資の世界に入ってくる人たちがほとんどです。ファンド資金や会社の自己資金で投資をし、利益をもたらすことができた場合は成功報酬として還元されるので、そこで億のケタに届く収入を得られることになる、というのが億を超える人になるための筋書きです。こうして、完全成果報酬型のファンドへのジョブチェンジすることが大きなきっかけとなり、富裕層の仲間入りを果たします。