「タトゥーって未来との約束」 

「定期的に、『死にたい』といった気持ちが強く芽生えるようになってしまって、何度か自殺未遂とか起こしてしまって。でも誰かが助けにきてくれて一命を取り留めたことは何度かありました。

睡眠薬をオーバードーズしたときも友達とかに変なメッセージを送っちゃってるんですよね。それをみた友達が駆けつけてきてくれて助かったり…」

しかし、そんな状況から救ってくれたのがタトゥーだった。

「タトゥーって未来との約束なんですよ。彫師とどういうデザインにするかって相談して、デザインを作ってもらって、予定してた日に彫ってもらう。来月タトゥーを入れる予定があるからそれまで生きなきゃ、みたいな。私の人生はその繰り返しです」

にせぽよはいま、イベントに出ることで生計を立てている。

「そんなにタトゥー入れてて、何の仕事してるんですか? とよく聞かれるんです。バーで働いたり、トークイベントにでたり、モデル業をやったりと、いろいろな方に支えられて生きています」

刺青は自傷行為の一環ととらえられがちだが、人が生き続けるための大事な糧になる場合もある。生き辛い世界の中で彼女にとっては唯一の生きる希望なのだ。

「亡骸に弁護は不要」と彫られた首元のタトゥー(本人提供)
「亡骸に弁護は不要」と彫られた首元のタトゥー(本人提供)
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取材・文/山崎尚哉