コロナ禍の激務にパワハラ…自衛隊を辞めたワケ
吉川はすみんさんは企画単体で活動するAV女優。高校卒業後に防衛医科大学校看護学科に入学後、2016から2019年まで大学に通い、卒業後は3等陸尉として自衛隊福岡病院に勤務という経歴を持っている。そんな彼女が自衛隊を志したのは、家族に医療関係者が多かったのがきっかけだった。
「防衛医科大看護学科には首席で合格しました。当時は、自衛隊で一生看護師を続けるくらいのやる気をもっていたので、辞めるつもりは一切ありませんでした。学校生活では勉強はそこそこに、水泳や演劇、ダンスなどありとあらゆる部活動に手を出しまくっていました」
4年後、無事に大学校を卒業した吉川さんは自衛隊に入隊。自衛隊福岡病院に配属されることとなった。名古屋出身の吉川さんにとって、福岡はそれまで知る文化とは違う異国の地。慣れない環境と新しい職場での仕事についていくことができず、一時は不眠症になりかけたという。
そんな吉川さんのメンタルに追い打ちをかけたのが、2020年より猛威を振るったコロナ禍だった。
「看護師の仕事をしながら、自衛隊の訓練も同時に行なわないといけなかったので、体力もメンタルも常にぎりぎりの状態でした。そして、コロナ対策にも追われるようになり、ありえないほど忙しくなってしまいました。1年目なので指導を受けるためのレポートの作成や事例検討なども通常通り行なっていたこともあり、次第に心身が追いついていかなくなっていました」
過度なストレスによってメンタル不調を起こしてしまった吉川さん。毎日眠れなくなったり、休みの日は涙が止まらなくなったりといった症状が出てしまい、うつ病一歩手前の適応障害に陥ってしまったそうだ。その後、吉川さんは夜勤のない病棟に異動となったのだが、次の職場も問題だらけの環境だった。
「異動先は発熱外来だったのですが、そこはパワハラチックな環境で、まともに働ける場所ではありませんでした。自分の成長のために厳しく叱られるのであれば乗り越えられたのですが、ただストレスの捌け口にされているような感じで怒られるばかりでした。そして、若者への仕事の押し付けが横行していて、組織のためにも患者のためにもならない行為が続いている職場でした」