漫画を読む
【漫画】『婚マン 独りで死ぬのはイヤだ』 第9話(漫画を読むをクリック)
スゴ腕ナンパ師が見せた神業の10分
――『婚マン』第9話の婚活パーティーはコンパ形式のものですが、中川さんは今までの人生でコンパに参加したことはありますか?
中川学(以下、同) 大学生のときに何度か参加したことがあります。あと、漫画家になってからも1回あります。
――そのときのコンパは、どのような感じだったのでしょうか?
エッセイ漫画の企画で「恋愛工学(ナンパ術)を学んでモテモテになってみよう」というのがあり、一瞬だけその道の先生に弟子入りしたんですが、そのときに先生とその弟子たちと一緒に参加しました。
――なんだかスゴいコンパの予感が…。
いや、コンパ自体は可もなく不可もなくと言った感じで終わったのですが、その後がスゴかったんです。
――何がスゴかったんですか?
コンパの会場は渋谷にある青山学院大学の近くだったんですが、会が終わった後、我々男性陣は、青山通りを宮益坂からスクランブル交差点へ向かって歩いていこうとしていました。
コンパの反省なんかをしながら。前方にはOL風の女性が二人並んで歩いていました。すると、その女性たちの存在に気づいた先生が、二人の横に行き、並行して一緒に歩き始めたんです。そして、ふたりに向かって何かを話し始めました。
――何と?
私の位置からは何を話しているのかは聞き取れませんでした。
だけど、ひと言目に話しかけたときに二人の表情がこわっばっていたのは覚えています。それでも意に介さず、先生は軽快にしゃべり続けると、徐々に柔らかな表情になっていったんです。
金王坂上歩道橋を過ぎ、宮益坂に差しかかった頃には、なんと笑顔が弾けていました。坂を下り切り、宮益坂下交差点を通過し、スクランブル交差点に到着。人でごった返す交差点で、私は信じられない光景を目の当たりにしました。
――何が起きたんですか?
二人の女性のうちの一人が、先生とともに渋谷の街に消えていったんです。一瞬の出来事で、最初何が起きたのかわかりませんでした。弟子の一人がつぶやきました「ナンパ第1段階成功」と。我々は呆然としました。
しかし、一番あっけに取られたのは、残された女性なのではないでしょうか。ナンパを始めてから二人で消えていくまでの所要時間は約10分。なんだかスゴいものを見ました。
――そんなにスゴい先生から学んだわけですから、かなりモテたんじゃないですか?
先生に付いて3日目ぐらいに「なんだかこの人、イケすかねぇなぁ」と思うようになり、すぐに弟子も企画もやめたので、恋愛工学はまったく身につきませんでした(笑)
――そして、48歳まで独身の今も婚活に励んでいるわけですね。
【漫画】『婚マン 独りで死ぬのはイヤだ』 第9話(漫画を読むをクリック)