自分から「影」になるのはもうやめにしませんか

「あなた、人はみんな平等なの。あんなことしていたらだめよ。人には凸と凹があるの。控え目に引っ込んでばかりいると、どんどん人につけ込まれるのよ。

あなたの変にへりくだった態度は凹なの。そこで相手は、あなたはおとなしく言うことを聞く人間だろうなと思って自分の要求を押しつけてくる。つまり、相手はどんどん凸になっていくのです。

でも、そうさせているのはあなた自身の態度ですよ。謙虚で控え目であるということは、人に軽く扱われる存在になりかねないということを、よく覚えておきなさい」

謙虚であるということは、日本人の美徳です。でも、謙虚の出し方を間違えると、いつも自分が不本意な役まわりを負わされることにもなります。このときの鯨岡さんの教えによって、私はふわふわのんびりした自分を断ちきることを、意識するようになりました。

いつも強い立場に立てるほど、自分に自信がない。それは誰だって同じです。

私自身、いまだに「自信のかたまり」にはなれません。でも、自信がないからこそ、人は学び、自分にしかできないことを実現しようと努力をするのではないでしょうか。

「努力? どうせ私なんか、無理」。いいえ、無理なことはありません。努力のしかただって、人それぞれ。人の輝き方も人それぞれです。

自分から「影」になるのはもうやめにしませんか? 90歳の美容研究家が「どうせ私なんか」の言葉は封印すべきと説く理由_3
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そもそも人に序列はありません。どちらが偉い、どちらが偉くない。それを忖度して、自分から「影」になるのは、もうやめにしませんか。そのためにはまず、「どうせ」という言葉を口にするのは、やめてみる。そんな投げやりな言葉は封印するのです。それが自分を輝かせるための第一歩となります。

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少しよくばりくらいがちょうどいい
小林照子
少しよくばりくらいがちょうどいい
2025/3/6
1,650円(税込)
256ページ
ISBN: 978-4763142023
 
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