夫の不貞を許すか、許さないか…93歳の心療内科医が、恨みは「忘れる」ではなく「かき消して」と説く理由
「恨みは、忘れようとしても忘れられない」93歳の心療内科医・藤井英子医師は、そう語る。16万部を超えるベストセラー『ほどよく忘れて生きていく』(サンマーク出版)の著者でもある藤井氏が示す、過去に縛られず、恨みから自由になる道とは?
最新刊『ほどよく孤独に生きてみる』(同)から、心が軽くなる言葉をお届けする。
いやなことには「いいことの種」が
<悪いことが起こったら、いいことの種が蒔かれたと思いましょう。いやなことのなかにも、いいことの種があることが人生の彩りだと思います。>
人生、いいこともあれば、悪いこともある、と言いますが、私は、悪いことのなかに、いいことの種があるような気がしています。
つらい状況にあったとしても、それがずっとは続かないし、悪いことのように見えることのなかには、いいことにつながる未来の種がかならず蒔かれています。
私は89歳のとき、当時、院長を務めていたクリニックで、「先生はもう90歳ですよ、そろそろ」と、引退のお伺いをされました。私が受け持っていた患者さんの担当からいつの間にか外されてしまい、元来、前向きで元気な私も、このときばかりは、胃潰瘍をわずらいました。心労が胃にくるというのは本当なのだと思ったものです。
私はクリニックを辞め、自分のクリニックを開くという挑戦をすることになりました。89歳での開業は、思いがけず、本を書くという経験にもつながりました。
今振り返ると、あのとき病院を辞めていなかったら、こんな新しい経験はできませんでしたから、いやなことのなかにもいいことの種があると実感しています。その種を丁寧に拾って、蒔いて、新しいことに挑戦すると、何歳からだって、新しい世界が待っているのですね。
いいことがあったら心から喜びましょう。いやなことがあったら、そのなかにあるいいことの種を拾ってすぐに蒔きましょう。いいことも悪いことも、人生という畑に色とりどりの花を咲かせ、やがて果実となって実ります。
文/藤井英子 写真/shutterstock
2025/2/20
1,540円(税込)
160ページ
ISBN: 978-4763142016
離れていい。ひとりでいていい。
誰かとうまくかかわるための、心地よい「心の守り方」とは?
予約が絶えない心療内科医の「近づきすぎない」幸せの秘訣。
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人間関係は、なければ寂しく、
あれば煩わしいものですね。
ときどき、ほどよい孤独を選んでみませんか?
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93歳の現在も、日々診療に向き合う心療内科医の藤井英子医師。
現役で仕事を続けるなかで紡ぎ出される自然体の言葉が評判です。
日常の暮らしのなかで、心がすこし曇り空の日、雨降りの日など、
ふと立ち止まる日に心を軽くする言葉が満載です。
前作『ほどよく忘れて生きていく』の感想にあった「1日誰とも話さない日があってさびしい」という声に、先生がお答えするかたちで、「ほどよく孤独に」というメッセージが生まれました。
人間関係も、人の目も、情報も、
「すこし離れている」くらいでちょうどいいのかもしれません。
日々、自分の心に目を配り、からだを動かして、人間関係をすこし軽やかにする。
見開きに1つのお話で、さらりと読めるのに心に残る、
ずっと手元に置いていただきたい1冊です。
【目次より】
◎「属さない」自由
◎近い人ほど「あっさり」
◎気が合わないのは「あたりまえ」
◎「友だち」より「話し相手」
◎「人の噂」は半日もたない
◎恨みは「忘れる」ではなく「かき消す」
◎いつだって「これから」を話す
◎過去は「アルバム」にだけ
◎「まあいいか」で生きていく
◎自分にこそ「よく頑張りました」