2億円トイレ

万博のトイレ建設に2億円かかる─。

そんな情報がネット上などで広がり、「高すぎる」といった批判の声も相次いだ。2024年2月16日の衆院内閣委員会で、立憲民主党の中谷一馬は言った。

「トイレ1カ所に対して約2億円。豪華絢爛なのかもしれないが、さすがに高すぎないか。デザイナーズトイレということだが、(万博の)テーマの『いのち輝く未来社会のデザイン』に何か関係があるのか。私には少なくとも、無駄遣いの極みに見える」

2億円のトイレとはどんなトイレなのか…
2億円のトイレとはどんなトイレなのか…
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経産省は資料を公表して、「2億円トイレ」について説明している。

万博協会は、会場内で約40カ所のトイレを設ける。そのうち8カ所は若手建築家が設計しており、最大規模のトイレが解体費込みで税込み約2億円かかるという。

一般的な公衆トイレ施設の平米単価(2016〜2022年)は約74万円だという。府内で整備された公衆トイレの平米単価(2020〜2021年)は、約110万円(大阪観光トイレ)や約81万円(服部緑地・こどもの楽園南便所)とした。

一方で、万博の「2億円トイレ」の平米単価は、約70万円や約58万円という。

「便器が数十個設置される大規模な設備で、一般的な公衆トイレの建設費用と比べて取り立てて高額であるとは言えない」

内閣委員会から4日後の記者会見。経産相の齋藤健は「2億円トイレ」についてそう述べ、計画の見直しを否定した。

協賛する企業が便器を提供してくれることなどもあるため、万博のトイレは一般の公衆トイレより安い傾向があるという。

万博のカネをめぐる問題がトイレに飛び火したが、騒ぎは次第に収まった。