「両津ミュージック仕分けの巻」(ジャンプ・コミックス180巻収録)
今回は、両さんがレコード会社に請われて、事業や所属アーティストたちの「仕分け」を断行するお話をお届けする。
本作が描かれたのは、2011年。1アーティスト、1タイトルのCDがそれぞれ数百万枚の売り上げを叩き出していた1990年代は既に遠く、配信による定額制課金制への移行がはじまり、さらには音楽にお金を使うこと自体をしない人が増えてきた頃のエピソードだ。そんな時代に、両さんが音楽業界で辣腕ぶりを発揮するが……!?
ちなみに、タイトル中にある「ミュージック仕分け」は、言わずもがな、2009年に政府が行った「事業仕分け」をもじってのものだろう。
「2位じゃダメなんですか」のセリフで、世界一の性能を目指す国産スーパーコンピューターの開発費縮小を迫るパフォーマンスにはじまる、一連の行政改革は、「税金の無駄づかい」をなくす……という名目で、さまざまな公共事業や公共施設、いくつもの文化的・学術的活動のための費用までをぶった切っていった。それが日本に何をもたらしたのだろうか?
……と言いたいところだが、両さんが手がけるのは、もっと現実的な、バブル景気で膨らみまくった大型バンド群の整理だ。こちらの「仕分け」は、はたしてどんな結末になるのか、ぜひ本作を読んでお確かめいただきたい。
それでは次のページから、両さんが音楽産業に大なたを振るうお話をお楽しみください!!