「部長の三味線(しゃみせん)チントンシャンの巻」(ジャンプ・コミックス137巻収録)

今回は、大原部長が三味線(しゃみせん)に挑戦するお話をお届けする。

2月24日からお届けしている「ストラディバリ狂騒曲!の巻」(ジャンプ・コミックス84巻収録)のバイオリンが、弦を弓で擦って発音する「擦弦(さつげん)楽器」なのに対して、三味線は弦をバチで弾いて鳴らす「撥弦楽器(はつげんがっき)」だ。

もともとは中国の三弦(サンシェン)が琉球に伝わって三線(さんしん)となり、やがてこれが三味線になったという。サイズや竿(ギターやバイオリンでいうとネックの部分)の太さによって大きく3種類に分類され、長唄・端唄・小唄には細棹、民謡・地唄には中棹、 津軽・義太夫には太棹が使われることが多い。

なお、三線では音を増幅する胴の表面にヘビの皮を張るが、三味線で使われているのは犬や猫といった動物の皮だ。

江戸時代後半以降になると、男性の場合は道楽・趣味の一環として、女性の場合は嫁入り前の習い事のひとつとして、三味線を手にする人も多かったようだ。超神田寿司の女将・擬宝珠夏春都(ぎぼし・ゲパルト)は、三味線を孫の纏(まとい)に教えていた。

ちなみに、両さんに(イヤイヤながら)手ほどきを受けることになった部長が、ロックバンド、ディープパープルの楽曲「スモーク・オン・ザ・ウォーター」を習わされるが……。

実際にこの曲は、三味線で演奏される機会が実に多い。原曲では歪んだギターで弾かれている有名なリフ(繰り返して使われている短いフレーズ)は、三味線にも非常にマッチしているのだ。

これは、大衆的な音楽における「四七抜き音階(ドレミファソラシドのうち、4つめのファと7つめのシを抜いた音階)」と、和楽における「五音階」とが同質のものであることも関係しているのだろう。特にロックにおいては、ペンタトニックスケール(ペンタ=5つの意)の使用は、基本中の基本だ。

それでは次のページから、大原部長が三味線入門に悪戦苦闘する姿をお楽しみください!!