鼻や唇を女性の首筋に無理矢理こすりつけ、その乳房を…

〈被告人はいずれも有罪〉

昨年10月23日、福岡地裁で言い渡された判決文にはこうあった。

審判を受けたのは、今月12日に同地裁での論告求刑公判で、検察側から懲役30年を求刑された本多被告。2022年から23年にかけて7つの事件で起訴されていた本多被告だったが、このうち強制わいせつ、暴行、暴力行為等処罰法違反に問われた3つの事件が区分審理の対象となっており、その「部分判決」がこの日、言い渡されたのだ。

判決文によると、事件があったのは、2019年5月から2022年2月にかけての約3年のあいだ。それは以下のようなものだったという。

第1の事件は、2019年5月27日午後3時から同4時までの間に、福岡県糸島市内の本多被告の自宅で起きた。本多被告が「糸島勤務」と称して従業員に課していた、自宅で身の回りの世話をさせる「業務」中でのことだった。

そこで、〈リビングにおいて、B(当時21歳の女性)に対し、その左横からいきなり抱きついてBを引き寄せ、その左首筋に無理矢理自己の鼻と唇を押し当ててこすりつけ、その乳房を着衣の上から手で持ち上げて揺らして更にもむなどし、もっと強いわいせつな行為をした〉という。

本多被告(本人SNSより)
本多被告(本人SNSより)
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この犯行は「糸島勤務」のとき、〈一緒に勤務していた女性社員が帰宅した被告人(本多被告)と二人きりになった際〉に行なわれたとされる。

Bさんは本多被告が経営するペットショップの従業員だったが、この直後に母親に電話をかけて自身が受けた被害を訴えている。そして、他の従業員とのグループLINEで「今日で退職することになりました。理由は艦長のセクハラです」とのメッセージを送信している。本多被告は自らのことを“艦長”と従業員に呼ばせていた。

さらに、Bさんは自身のスマートフォンで被害に遭った際の本多被告とのやり取りを録音していた。そこには「おまえはおいしそうだ」「おまえの匂いに勃つ」といった本多被告の発言が残されていたという。