「中学受験をする子どもが増えてしまうのも仕方ないこと」という声も 

では、保護者側はこうした事態をどう見ているのだろうか。都内のPTA役員(40代・男性)は次のように話す。

「うちの学校は受験する子が全体の8割以上で、6年生は1月だと1クラス7~8人くらいしか登校していませんでした。

給食もすごく余るから、一人2~3杯おかわりしていました。『給食だけ食べに行かせたい』というのは、もしかすると受験で学校に行けない子どもにストレス発散させようと親が考えてのことだったのかな…。

でも、受験に対して本気だったら、そこで風邪やインフルをもらう可能性があるから外出させないし、親も会社を休んだり外出を控えたりするから、このケースはそこまで本気じゃないのかもしれないですね」

写真はイメージです(PhotoACより)
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そして、「中学受験が増えてしまう背景」について次のように私見を話した。

「よくこういう実情を話すと、子どものいないご家庭やネットユーザーからは『親も子も中学受験に対してやりすぎ』と言われます。でも、地域によっては荒れた中学校もあります。中学受験をする子どもが増えてしまうのも仕方ないことだと思います」

過熱し続ける中学受験の舞台裏では、学校側にも親側にも、さまざまな事情や思いが交錯する。

ただ、立場の弱い子ども自身がストレスに押しつぶされてしまわないように、大人がしっかりと子どもを見守る姿勢を保つことが最も大切なのではないだろうか。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班