人の死まであざける電話が……
選挙後の12月からは頼んでもいない商品が届くようになった。
「お茶、健康食品、コーヒー。市民共済の特約の申し込みも勝手にされました。全部で10件ほどですが、被害を受けた業者さんに頼んで取り寄せた8件の申し込み書類に書かれた筆跡はみな同じでした。これは警察が私文書偽造で捜査しますと言ってます」(丸尾氏)
警察が捜査に乗り出したと報じられると、電話による攻撃は途端に少なくなったという。Xでは丸尾氏の議員辞職を求める署名も行われたが、このアカウントは1月に凍結された。反対に1月初旬から始まった丸尾氏を応援するXの署名は1万筆を越えている。
「丸尾頑張れっていうメッセージがたくさん出されるようになってずいぶん救われました。もう少し頑張ってみようって。力になりました」(丸尾氏)
しかし1月19日に竹内氏の悲報が報じられると、また「竹内さん亡くなったんだけどぉ、アンタはどうなの。逃げんじゃねえよ、てめえ」と、人の死まであざける電話がかかってくるようになった。
丸尾氏はSNSで拡散された動画のうち、事実と違う誹謗中傷が特にひどい25件についてYouTubeに削除を求めたが、削除されたのは5件だけ。丸尾氏は名誉棄損による刑事告訴も念頭に投稿者の開示請求訴訟を順次進めている。
「虚偽動画は削除されるまでに再生が繰り返され、投稿主は収益を得る一方で、こちらの名誉は回復されません。“やったもん勝ち”です。ファクトチェックを経て警察が速やかに捜査し、開示・削除請求を公的機関が支援する被害者救済の枠組みが必要だと思います」(丸尾氏)
同じことが全国に飛び火する前に、兵庫県で起きたことをよく考えてほしいと訴える丸尾氏。人を死に追い込むネットリンチを止めるため、早急な対策が求められている。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班