「県警はオープンチャットの書き込み内容や投稿者の分析を進めている」

「知事選に『斎藤さんを応援する』と言って出馬した立花孝志NHK党党首がAさんや丸尾さん、竹内さんを街頭演説で非難し、その動画が拡散されました。

立花氏は奥谷県議の自宅前で街頭演説を行ない、『これ以上脅して奥谷が自死しても困るのでこれくらいにしておく』と言い、次は竹内、丸尾両県議のところにも行くとも宣言しました。名前が挙げられた人は恐怖を感じるしかありません。

それだけではありません。斎藤知事の支持者を名乗る『チームさいとう』というグループがLINEアカウントの中に設けたオープンチャットでは、立花氏の奥谷県議宅前での演説が事前に告知され、奥谷氏の住所がさらされました。

さらに竹内、丸尾両氏らを“主犯”とする動画の拡散も呼びかけられていました。組織的な誹謗中傷が行なわれた疑いがあり、県警はこの書き込み内容や投稿者の分析を進めています」(地元メディア関係者)

竹内氏は斎藤知事の支持者から“主犯格”として拡散されていた
竹内氏は斎藤知事の支持者から“主犯格”として拡散されていた

丸尾氏と同様に、事務所に電話やメールが押し寄せた竹内氏は、家族を守りたいとして選挙翌日の11月18日に県議を辞職した。ところがその後も攻撃は続いた。

「竹内さんは、家の前に見慣れない車が停まっていたり、ゴミがまかれたりして生活が脅かされ、ずっと怯えて一人で外出もできないほどに追い詰められたんです」(県議会関係者)

その末に竹内氏は今年1月18日に亡くなる。自死とみられる急死について、知人は「ネットリンチによる殺人じゃないですか」と憤る。

丸尾氏も「私たちを攻撃せよとの“犬笛”が吹かれたのだと思っています」と話し、攻撃による痛みを振り返る。

「実は竹内さんが辞職する前の選挙中に、書き込みがあまりにもひどいので、裁判所に投稿主の情報開示や削除の請求を一緒にしませんか、って提案したんです。しかし竹内さんは『でももう僕、しんどいんですよ。もう見ないようにしてるんです。いいですわ』と言って…。その時には闘う気力ももう残ってなかったんですよね…。

1月27日、亡くなった竹内英明元県議に黙祷する兵庫県百条委のメンバー(撮影/集英社オンライン)
1月27日、亡くなった竹内英明元県議に黙祷する兵庫県百条委のメンバー(撮影/集英社オンライン)

私の事務所の前にも、県外ナンバーの車が停まり、スマホで事務所を探しているような人が目につきました。

さらに、選挙が終わってもその後の一か月ほどがむちゃくちゃしんどかったんです。斎藤知事の対立候補を応援した人たちが選挙に負けて意気消沈し、動きが鈍くなる中で、僕らはずっと叩かれ続けたんです。

竹内さんは『一人ぼっちだ』って言ってました。僕もその感覚でした。でも、百条委を最後までやってくれと遺書で言い残したAさんの思いがあり、百条委はやり遂げなければと、踏ん張りながらやってきました」(丸尾氏)