渋沢栄一は女遊びが酷いからダメ? マナー講師の見解は…

これらが一般的なマナーだが、2024年はなんといっても、新紙幣が20年ぶりに発行された。この紙幣をめぐって新しいマナーが生まれたのも記憶に新しい。

1万円札に印刷されているのは渋沢栄一だが、彼は生前、女遊びが好きで派手に不倫をしていたことでも有名なため、結婚式のご祝儀として新紙幣の1万円札を渡すのは“縁起が悪い”。そのため、「結婚式のご祝儀では旧札を使うべき」という論が日本中をかけめぐったのだ。

結婚式のご祝儀は“渋沢栄一NG”というマナーが流行(編集部撮影)
結婚式のご祝儀は“渋沢栄一NG”というマナーが流行(編集部撮影)
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当然、これには否定的な声がたくさんあがったものの、これ以降実際に旧札を用意してご祝儀を渡す人も出ている。

〈友人へのご祝儀に「3万円」用意していたら、妻に「渋沢栄一のお札は使っちゃダメだよ」と言われました〉

〈渋沢栄一で用意するのやだな、と思って旧札のピン札探してるけど全然ない。とっておけばよかった〉

〈最近、結婚のご祝儀、進学、就職のお祝い用に旧札の壱万円を残している。お祝事に渋沢栄一じゃ不謹慎だよ〉

〈ご祝儀で渋沢栄一の1万円札は避けた方がいいと聞いていたので旧札の新券をお願いしたんだけど、もう旧札は新券が無いと言われたので渋沢栄一3人にした〉

ではお年玉で渋沢栄一の1万円札を使うのはアリなのだろうか。一部ではすでに、“渋沢栄一は女関係がだらしなかったからお年玉には向いていない”なんて論もあがりつつあるようだが……。金森さんに見解をうかがった。

「お年玉に関しては気にする必要はありません。お年玉は新年を祝って主に子どもに渡すものであり、紙幣の背景まで過剰に意識する必要はないと考えるからです。子どもにとっては、新しい紙幣の方が新鮮で喜ばれるかもしれません。ただ、必ずしも新札である必要はありません。旧札でも問題ありませんので、状況に応じて準備しましょう」

お正月にはふだんは会わない人ともたくさん会うことになる。「このマナーも知らないなんて……」と思われないためにも、最低限の知識は入れておいたほうがよさそうだ。

取材・文/集英社オンライン編集部