怪物のような年配芸人たち
—集英社オンラインにもいつか出ていただきたい。
友保 昔の話がめっちゃ面白いっすよ。一回京都花月(現・祇園花月)にね、(明石家)さんまさんに無理やり出させられたらしくて、「おもろいから」って言われて行って。でも何していいかわからん。そこで師匠どうしたかいうたら、鼻からどじょう入れたらしいんですよ。
—どじょう!?
友保 おもろいやろ思って、なんも分からへんから。で、お客さんが引いたらしくて(笑)。支配人にめっちゃ怒られたって。終わってからさんま師匠の楽屋行って「すいません、めっちゃ怒られました」言うて「何してん?」「鼻からドジョウ入れました」。そしたら「次ウナギ入れろ」。落語みたいなオチ(笑)。
—きれいすぎる(笑)。
友保 『ガキ使』(『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで』)にもたまに出るじゃないですか。わし最初あれで見ておもろいな思うたんですよね。なんならテレビも劇場のフリなんじゃないですか。
小林 あーテレビで見て、舐めさせといて。
友保 「あのおもんないおっさんや」思たら寄席バチクソおもろい。
—芸人さんが年を取れば取るほどおもしろくなるというのは、芸人の世界ならではですね。
友保 いや、それこそ祇園花月で一回ほんま修羅の日があって。もうジジイの軍団、マジで生きてるだけの人間が集まってるみたいな。
—どういうことですか?
友保 誰も何にも笑わへん、客席でにこってするだけのおじいちゃんおばあちゃん軍団。案の定全員がスベってて、それでみんな震えたら、ザ・ぼんちのおさむ師匠が来はって、客席ばーっと見て、「俺ここ得意やねん」って言って。で、いざ出たらバカくそウケてた。
—かっこいい……。
友保 やっぱ師匠やなと思いますね。「得意やねん」って。
—先日、『情熱大陸』に間寛平さんが出ていらして、すごくかっこよかったです。「新喜劇はとにかく動け」とか、しびれました。
友保 寛平師匠もめっちゃネタ見てますからね。俺ら今、呼んでもうてんすよ。寛平師匠のツアーとか。
小林 ちゃんとネタ見てはるから怖いんですよ(笑)。
友保 あんなね、ジジイまで生き残ってるってことはね。吉本のいいところは年上の人と喋れるのがいいですね。