長生きの秘訣は「忘れること」
今年3月で御年111歳の誕生日を迎えた静岡県磐田市の水野清隆さん。男性の中では国内最高齢となるが、改めて長生きの秘訣を聞いてみたところ、
「自分でもさっぱり分からんけど、何事もくよくよしないことだね。そして、ストレスをためんこと、それが一番! くよくよしても始まらんで、すぐ忘れることだ」
111歳の“超”高齢者とは思えないほど、しっかりした受け答えで話す清隆さん。現在は息子夫婦と孫の4人暮らしだ。白内障で108歳のころに両目が見えない状態となり、「俺はもうダメだ」と思ったというが、それ以外は大きな病気もせず、月2回くる訪問医にも「血圧脈拍ともに健康です」と診断されたばかりだという。
同居する息子の重宏さん(78歳)に、清隆さんの普段の生活ぶりを聞いてみると、
「毎朝6時に起床して、朝昼晩の3食しっかり食べるのはもちろん、午前と午後に1回ずつおやつも食べてます。カステラ、バームクーヘン、ヤクルト、たまに誰かがお土産で持ってきたお饅頭とかも食してますね」
長年、農家を営んでいたこともあり、旬の食べ物も毎日3食、腹7分目まで食べている。嫌いなものは特になく、お酒に関しては「健康のこと思うて95歳のときにやめた。もう身体に応えたでよ」という。
慣れ親しんだ我が家で生活しているため、両目が見えないながらも、普段は壁を伝って移動しているといい、昨年(110歳)までは、歩くとき以外ほとんど介助を受けないで生活していたというから驚きだ。そのことについて聞いてみると、
「この年じゃ施設に入って世話してもらう人も多いでな。まあ目は見えんくなったが、身体だけはどうにか健康で、食べるのも当たり前に食べていけるからな」
と笑顔で答えてくれた。就寝時間は毎日午後8時過ぎと規則正しい生活を送っている。