価値観の99%は他人が作った概念でできている

そもそも、学問にせよ、芸術にせよ、スポーツやゲームであっても、どのジャンルも過去から現在にかけて多くの他人が創り上げてきたものだ。どんな芸術性があり、どんな研究が研究として価値を持つかといった諸々は、他人にすべてを決められているものではないにせよ、他人の価値観(つまり他人の視線)の影響を受けている。

価値観として個人が自分の自由や創造だと考えているものは、他人が築いた価値観にごく小さなものを付け加えたか、いくつかの選択肢の中から何かを選び取ったに過ぎない。

特定の専門のジャンルでなくても、「美しい響きの言葉」とか、「正義」といった価値尺度は、過去から現在にかけて他人が形成した夥しい感じ方の影響を受けている。

人間は、自分だけで価値観を形成して自分を満足させられるほど高性能にはできていない。

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その証拠に、「他人の評価は関係ない」と言い張る当人が、芸術作品や論文を世間に発表するではないか!

図/書籍『経済評論家の父から息子への手紙』より
写真/shutterstock

経済評論家の父から息子への手紙: お金と人生と幸せについて
山崎 元
経済評論家の父から息子への手紙: お金と人生と幸せについて
2024/2/15
1,760円(税込)
192ページ
ISBN: 978-4054069756

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