全世界の仲間と同時体験できる喜び

こうしたワクワクするストーリーが毎週、決まった時間に放送され、放送後にはSNS上で日本のみならず、海外のファンもあれやこれやと感想を言い合って盛り上がっている様子は、まさに、ドラゴンボールが連載されていた1990年代を彷彿とさせる。

また奇しくも、ドラゴンボールDAIMAという作品が、原作の魔人ブウ戦直後のストーリーを描いていることからも、そのまんまあの当時の続きが再スタートしたかのような気持ちにもなってくる。

『ドラゴンボールDAIMA』の1シーン ©バード・スタジオ/集英社・東映アニメーション
『ドラゴンボールDAIMA』の1シーン ©バード・スタジオ/集英社・東映アニメーション
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放送の時間帯が金曜の夜というのも絶妙で、一週間の仕事を終えたごほうびとして、寝る前にドラゴンボールの最新作を楽しむ時間は、何物にも代えがたい。衝撃的な展開を見た後は、ネット上で感想や考察を読みふけり、寝不足を気にせず、次の日の朝までドラゴンボールの世界を堪能することができる。

ドラゴンボールDAIMAは鳥山先生が「いつもよりかなり気合が入ってるかもしれません!」とコメントしていたように、先生の熱い魂が込められている。

まだ誰も見たことのないストーリーを全世界のファンと一緒にリアルタイムで視聴し、小さくなった悟空たちとは反対に、大きくなったファンたちが「こうなるのではないか?」「実はこのキャラが強いのではないか?」とあの頃と同じ熱量で語り合える幸せを感じ、改めて、一ファンとして、鳥山明先生に感謝の気持ちを伝えたい。

取材・文/ライター神山 集英社オンライン編集部