「民主党の善悪観」を鵜呑みにしてはならない

だが、アメリカが「世界の正義」としてやってきたことは殆どすべてがその真反対のものであった。

「民主主義の庇護者」を自称してアメリカは中東やウクライナに民主主義を導入したが、多数派宗教と少数派宗教が国内で激しく対立している国(ユーゴスラビアやアフガン、イラクやシリア)や多数派民族と少数派民族が国内で激しく対立している国(その典型がウクライナ)に多数決民主主義を導入してもそこで社会分裂と内戦しかもたらされなかったことを我々は知っているからである。

もっと言うと、たとえば民主党政権が在韓米軍を維持・強化してきたこと自体、それが朝鮮半島の緊張関係を少しも緩和できなかったのだから、それを肯定的に評価できない。

第1期トランプがやったことは、この緊張関係自体を壊そうとし、金正恩との2度の会談を行ったのもそのためであった。

金正恩氏
金正恩氏
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私から見れば、この意味で第1期トランプがやっていたことの方がよほど「世界の正義」に合致する。バイデン=ハリスやアメリカ民主党の善悪観をそのまま鵜吞みにしてはならないのである。

写真/shutterstock

反米の選択 トランプ再来で増大する”従属”のコスト(ワニブックスPLUS新書)
大西 広
反米の選択 - トランプ再来で増大する”従属”のコスト
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1,045円(税込)
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ISBN: 978-4847067105

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