裏金問題は派閥だけじゃない

――今回の裏金問題は、なぜここまで大きな問題となったと思いますか?

今回の裏金問題は、これまでのように政治家一人ひとりではなく、自民党5大派閥の組織的な問題だったので、マスコミも関心を持たざるを得ず、ここまでの広がりを見せたのだと思います。

また、この問題が確定申告の時期と被ったこと、市民が物価高で大変な思いをしていることも関係していますし、自民党が非公認の候補にも公認候補と同額の2000万円を「活動費」として振り込んだことも、反自民への追い風になりました。

――今回の選挙で国民の生活がどう変わるのか、気になるところですが、来年7月にある参院選の行方も気になります。そのころには裏金問題は沈静化してしまうんじゃないかと……。

今回、衆院選で自民が負けたからといって、私は裏金問題が終わるとは思えないんですよ。

物価高で経済的に国民が大変なのは変わらないし、今回、裏金で落選した議員はいるけど、西村康稔議員、萩生田光一議員など、まだまだ起訴されていない議員はいっぱいいるわけです。

来年の参院選で、自民党が裏金議員を公認するのか、あるいは非公認でも活動費を振り込むのかがまた焦点になるでしょう。

私は今年の1月に「自由民主党東京都支部連合会」「東京都議会自由民主党」の都連関係2団体を東京地検に告発しました。20万円を超えるパーティー収入の一部につき収入明細が不記載になっていたからです。

「週刊新潮」が報じたところによると、現在、東京地検特捜部が捜査を開始し、すでに都連事務局幹部が任意聴取されているそうです。東京都だから裏金がつくられていればその金額は大きいはずです。

当時の都連の代表は萩生田光一議員で、特捜部が本気で捜査していたら、ひょっとすると今年中に処分が出るかもしれません。不正が明るみに出れば、裏金問題の第二幕の幕開けです。

萩生田光一衆議院議員 撮影/集英社オンライン
萩生田光一衆議院議員 撮影/集英社オンライン