2018年の軽トラック横転事件がターニングポイント
なぜここまで規制が強くなってしまったのか。同・安全対策課の担当者によると、大きな起点は2018年のハロウィーン。軽トラック横転事件をはじめとしたさまざまなトラブルが発生したことで、2019年に条例を制定するにいたったという。
そして今年の10月より条例が改正された背景には、新型コロナウイルスが落ち着いた後に根付いてしまった路上飲酒により、ごみの放置や騒音等のトラブルが深刻化したことだ。
「2019年の条例制定後、ハロウィーン・年末年始においては、一定程度の効果が見られたところですが、渋谷駅周辺において、街の方からも対策強化を求める声があがっていたことから、条例を改正することといたしました。
条例制定・改正後の効果につきましては、改正されてまだ2週間ですので、軽々に判断することはできませんが、街の方から『路上飲酒をしている人が減った』『ごみが少なくなった』との感想をいただくことはあります。
一方で、いまだ週末を中心に路上飲酒のひどいエリアは残っていますので、パトロールの頻度を増やすなどして当該エリアの改善を行っていきます」(渋谷区・安全対策課の担当者)
また、今年のハロウィーンから路上飲酒の規制を始めた新宿区の担当者にも話を聞くと、やはり昨年から来街者が一気に増えたことが関係していると明かす。
「今回の新宿区の条例の目的は人が多く集まることによって発生する迷惑行為や将棋倒しになる危険性を防ぐことです。昨年のハロウィーンではいつも以上に人が集まって、歌舞伎町の中心地では人があふれかえり、大きな事故に繋がる恐れがあると感じ、条例制定という対策をすることになりました。
今年のハロウィーン当日は警備員などを雇って配置し、人が滞留しないようにうながすなどしていきます。ただ、この条例は事故防止の意味合い的なものなので、この路上飲酒禁止の期間をハロウィーン期間以外にも広めていくことまではまだ考えておらず、今後の状況次第となります」