被害者より自らの妻への財産分与を優先したのではないか?

長田被告は板橋区内の保育園での勤務を経て、2022年4月から自身の父親が運営する墨田区内の認可保育園で勤務。クラス担任は持たず、保育補助業務として園児の昼寝の見守りを担当していたが、これを悪用しておぞましい犯行を重ねていた。

昨年12月28日にわいせつ行為に及んで口止めしたCちゃんが、帰宅後に母親に相談したことから複数の園児に対する犯行が次々と露見。今年1月17日、警視庁が別の園児に対する不同意性交、児童ポルノ禁止法違反などの容疑で逮捕したのを皮切りに、計7回逮捕、複数の罪名で起訴された。6月6日の初公判では「すべて事実です」と犯行を全面的に認めていた。

〈ボンボンわいせつ保育士・裁判〉「児童ポルノ動画と同じようなことをしたかった」「園を継ぐプレッシャーも感じていた」7人の園児にわいせつ行為をした鬼畜保育士の呆れた言い訳_1
すべての画像を見る

9月24日の公判に出廷した長田被告は坊主頭でメガネをかけ、上下黒色のスウェット姿。終始うつむき加減でボソボソと搾り出すような声で、検察官の質問に淡々と答えた。犯行動機については「欲に負けた」とし、具体的にこう続けた。

「保存していた児童ポルノ動画と同じようなことをしてみたいという欲望に負けてしまいました」

児童への性的欲求を抑えられないのに保育士をしていることについては「率直に不適切であると思っていましたが、将来は園を(父親から)継ぐというプレッシャーも感じていました。その世代交代も近いと感じる中で、(児童への性欲を)誰にも相談できず病院にも行くことができず、どうしようもない状況でした」と吐き出した。

被害者に対しては「人間性そのものを傷つけてしまった。申し訳なく思います。今後、子どもに関わる仕事には一切つきません」と謝罪の意を述べた。

その一方で、被害者や保護者に対して弁済の意思を示していないことに検察官が触れ、「不動産の処分などを検討せず、自らの妻への財産分与を優先したのではないか」と問われると、次のように答えた。

〈ボンボンわいせつ保育士・裁判〉「児童ポルノ動画と同じようなことをしたかった」「園を継ぐプレッシャーも感じていた」7人の園児にわいせつ行為をした鬼畜保育士の呆れた言い訳_2

 「(妻を優先したという)その感覚はありませんでした。(預貯金がないという指摘に)不動産を売るという発想がなく、いつ社会復帰できるかわからないので、お金を渡せばいいと思われたくもなかった。(自分の)親には『弁済費用は出せない』と言われた」

小児性愛については逮捕されるまで自覚はなかったとする一方で、児童ポルノ画像や動画の収集開始の時期を問われると「はっきりとは覚えていませんが、高校からだと思います」と返答した。