7人の園児に性的暴行、3人を撮影
室橋裁判長は不同意性交等、性的姿態等撮影等、児童ポルノ禁止法違反、強制性交等、強制わいせつと起訴内容を読み上げ、「主文、被告人を懲役14年に処する。未決勾留日数中、180日をその刑に参入する」と判決を言い渡した。
この日も上下黒のスウェット姿の長田被告の髪は坊主からやや伸びたスポーツ刈り程度で、眉間にシワを寄せてやや正面下の一点を向き、拳は両膝の上。判決言い渡しの瞬間も真っ直ぐ前を見つめたまま微動だにせず、傍聴席も水を打ったように静かなままだった。
裁判長は厳しい表情で量刑の理由を次のように述べた。
「約2年間にわたり勤務していた2ヶ所の園で7名に口腔性交等を行った。被害者が性的意図を理解できず、抵抗もできないことにつけ込んだ卑劣極まりない犯行。自身の立場を利用して児童を欲求のはけ口にし、その悪質性は顕著で、厳しく非難されるべき。
各被害者は性的自由を侵害され、将来の健全な成長に影響を及ぼす可能性もあり、被害結果は言うまでもなく大きい。3名の被害者は撮影までしている点も看過できない。本来であれば安心して子どもを預ける保育園において、我が子が被害を受けたことに対する各被害者の悲痛な心情は察するに余りあり、被告人に厳しい処罰を求めるのも至極当然である。
このように、本件の心象はまことに悪く、被害弁償もされていないため、被告人の刑事責任は重大である。事実を認め公判で謝罪を述べていることや前科前歴がないなど、被告人に有利にくむことができる事情があっても、主文の刑は免れない」
この間も長田被告は肩を落としたり汗を拭ったりすることもなく、微動だにしなかった。公判はわずか6分ほどで閉廷し、長田被告は退廷した。