野田vs小泉なら勝てるのか?

そんな立憲代表選だが、実際に野田氏を本命視する向きが強い。

時事通信が9月6日から9日にかけて実施した世論調査では、「立憲民主党の次期代表に誰がふさわしいか」という質問に27.5%が野田氏と答え、前代表の枝野幸男氏が14.5%、現代表の泉健太氏が8.5%、若手女性議員の吉田晴美氏が3.0%と続いた。

左から枝野幸男氏、泉健太氏、吉田晴美氏
左から枝野幸男氏、泉健太氏、吉田晴美氏

立憲支持層に対象を絞った場合も野田氏が46.8%で首位、次点の枝野氏23.4%に大差をつけている。その背景にあると見られるのが、自民党総裁選を小泉進次郎氏が制し、次の総理大臣になるのではないかという想定だ。

自民党総裁選で最有力視されている小泉進次郎氏(本人Facebookより)
自民党総裁選で最有力視されている小泉進次郎氏(本人Facebookより)
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立憲関係者は「小泉氏は圧倒的な知名度と刷新感があり、自民党に新風が吹く中で、立憲が現代表の泉氏や前代表の枝野氏を選んだのでは衆院選でなかなか立ち向かえないだろう。だが、野田氏は首相経験者であり、政治家としての重厚感がある。若くて軽い小泉氏と、重鎮で重厚な野田氏の戦いであれば、野田氏を選ぶ国民も一定数おり、何とか選挙戦を乗り切れるのではないかと考える議員や支持者は多い」と語る。

ただ、野田氏が立憲代表になることには危うさもはらんでいる。首相時代に消費税増税を進めた過去が、未だに議員間での亀裂を生んでいることは前述の通りだ。

立憲議員の一人は、「野田氏に恨みを抱いている議員は今の立憲内にも一定数いる。また、保守寄りの立場であることから、リベラル系の議員でも受け入れられない人がいるだろう。そんな野田氏がトップになって立憲は1つにまとまることができるのか。支援者が離れてしまわないかも心配だ」と吐露した。

自民党総裁選後の早期解散が予見される中、誰なら衆院選で新総理に対抗できるかを考えるのは非常に大切だ。

一方、新しい代表のもとで議員がバラバラになってしまったのでは元も子もない。立憲は新体制で一致団結することができるのか。

それは、代表選を通して国会議員や支持者の多くを納得させる論戦を展開できるかにもかかっているだろう。党の命運を左右する9月23日の投開票は刻一刻と迫っている。

取材・文/宮原健太
集英社オンライン編集部ニュース班