ゲームが上手くない僕にしかできない仕事がある

吉本興業を介し、ヒットゲーム『ことばのパズル もじぴったん』の生みの親で、面白法人カヤック所属のゲームクリエイター・後藤裕之さんとつながったのだ。後藤さんを「(ゲームの)変態」と称するほど尊敬している野田さんは、彼と会うとすぐに意気投合し、ゲームソフトの開発に乗り出すこととなった。

そして2021年、面白法人カヤックが開発、野田さんが総監督を務めたNintendo Switch用ソフト『野田ゲーPARTY』を発売。販売本数10万本を突破するヒットとなった。

野田さんはその後、東京ゲームショウにブースを出展したり、アーケードゲームをプロデュースしたりと、ゲームクリエイターとしての仕事も増えていったが、意外にも、「ゲームは好きなことの延長だから、この道を極めて儲けたいわけではない」と語る。

“ゲーム好きだけど下手”が、ちょうどいい塩梅で仕事に
“ゲーム好きだけど下手”が、ちょうどいい塩梅で仕事に

「僕、そんなにゲームが上手くないんですよ(笑)。もちろん真剣にやってるつもりなんですが、eスポーツ選手のプレイを見ると、自分の実力不足を痛感します。でも、“ゲーム好きだけど下手な僕”だからこそできる仕事もあるんです。

たとえば、僕はよくストリートファイターの配信番組や企画に呼んでもらいますが、そこでは、プロレベルのスゴ技を求められているわけではありません。ゲームの解説はできるけれどプレイは上手くないので、ゲームに詳しくない人に親近感を持って楽しんで見てもらえているようです。

もし僕が上手すぎると、みんながついてこれなくなってしまうので、僕はちょうどいいバランスなんだと思います。開発するゲームも複雑な内容にしたくないし、プログラミングも勉強しすぎたくない。好きなゲームをほどよく楽しみ、そんな自分でもできる仕事をやっていきたいんです」