コミュニティの不登校児の自殺未遂にショック受け 家から学校の概念を封印
――息子さんが不登校になった当時の心境をお聞かせください。
川口真目(以下同) 約2年前の小学4年生のとき、担任の先生と相性が合わず、1学期の5月の連休明けから急に学校に行けなくなってしまいました。学校で傷つく出来事があったことがきっかけで、どんどん元気がなくなっていく息子を傍で見ているのはすごく辛かったですね。
息子が「今日はがんばる」と言って学校に行こうとすると直前で頭やお腹が痛くなってしまって。
当時は本人も私自身も少なからず、「学校は行かなくてはいけないもの」と思っていました。息子は徐々に自信を失ってきてしまって、今まで当たり前にできていた一人の留守番や塾通いもできなくなってしまいました。どうしてこうなってしまったんだろうって私自身も相当追い詰められていました。
――息子さんが不登校の期間、お二人はどのように過ごされていたんですか。
息子はしばらく家に引きこもってゲームをするようになりました。私は知人に紹介されて地元の不登校の子どもを持つ親のコミュニティに参加したんですけど、そこで「子どもが自殺未遂しました」って話を聞いたのが衝撃的すぎて。自分が通っていたカウンセラーの先生に伝えたところ、「親が無理矢理連れて行くとそういうケースになるから今は休ませて」と言われました。
それがきっかけで、「学校は行かなくていいよ」とランドセルも上履きも教科書も全て倉庫にしまって、家から学校という概念を封印しました。息子の習いごとも全部休みにして、私も仕事をセーブして、「さっ、今日は何しようか」っていう毎日でしたね。
――子どもの自殺未遂の話はかなりショッキングですよね。
もうすごく怖くなってしまって。「学校なんて行かなくていい」って私自身が勝手に決めつけてしまいました。でも息子には「まだ答えが出てないから」とはっきり言われましたし、カウンセラーにも「お子さんは自分で答えを探しているし、迷って悩んでいるので待ってあげて」と諭されました。
私たち親は信じて待つというのがとても苦手なんですよね。復学を目的にしたビジネスが最近SNSで炎上してましたけど、復学もひとつの選択だし、私も意固地になっていたなと思います。それでフリースクールの見学に行ったり、不登校の子ども専門のカウンセラーを探したり、いろいろ調べたり、探していく中で「今は学校という概念を消して遊んだほうがいい」という選択が取れました。