共産はなぜ蓮舫氏を熱心に応援?
一方で、今回の都知事選では共産は熱心に蓮舫氏を応援している。その背景には、立憲の東京都連が共産との選挙協力を積極的に行なってきたという経緯がある。
というのも、東京で働いている労働者は千葉や埼玉、神奈川などの隣県から通勤し、都内の選挙の選挙権を持っていない人もいるため、どうしても連合の集票力は弱くなってしまう。
それに比べて、人口の多い都内には、市民運動の参加者や共産党の支持者などのリベラル層が一定数いて、票を集めやすいのだ。
こうしたことから、東京都においては立憲と共産の繋がりが深く、それを忌避する国民民主都連や連合東京は蓮舫氏ではなく小池氏の支持を選んだということになる。
しかし、小池氏は裏金問題で大逆風の自民からの支援を受けているため、連合の中でも小池氏をそのまま応援することには抵抗がある人も多い。
何より、国民民主党も元をたどれば蓮舫氏が代表を務めた民進党や、一時的にせよ政権を担っていた民主党に行きつく。そのため、連合東京は小池氏への支持を表明した一方で、傘下の産別組織が蓮舫氏を支援することも容認した。
このことが情勢調査で国民民主党支持者が小池氏と蓮舫氏で割れたこととして表れていると言えるだろう。こうした支持層を蓮舫氏が獲得し、さらにパイを広げることができるか否か、それが残りの選挙戦を左右すると分析できる。
果たして、誰が次の都政を担うことになるのか。都民だけでなく、多くの国民がその行方に注目している。
取材・文/宮原健太
集英社オンライン編集部ニュース班