会社を私物化する経営者が多い
具体的に家族経営の会社のどんなところが“ヤバい”のか。Xで拾った体験談や実際に家族経営の会社に勤めていた人の意見を見てみる。
Xで多く見られた体験談が「経営者一族は私用の高級車購入も、ガソリン代も、車検もすべて経費で払っていた」といったようなプライベートな出費を経費ですませるケースだ。家族経営の建設会社に勤めている人に実際に話を聞いてみた。
「私は総務を担当しているので、経費の使いどころを確認する機会があるのですが、自宅の警備費を会社の経費として支払っていることに疑問を感じましたね。会社の経営には関係ないと思われる経営者家族の購入品にまで会社のお金が使われていることが、なかなか腑に落ちないです」とのこと。
また他にも「ボーナスなし、残業代なし」で働いているといった体験談もXではよく見られた。こうした家族経営の会社の特徴について、ファミリービジネスに詳しい麗澤大学の近藤明人教授はこう話す。
「家族経営の会社のなかで、多くの会社が陥りがちなのが経営における公私混同です。創業時には家族だけで運営していたということもあり、プライベートとビジネスの境界があいまいになっている会社は少なくありません。
会社の規模が大きくなっているにもかかわらず、経営者が創業当時の感覚のままだと、体験談のように、会社の経費でプライベートな買い物をしたり、社員を道具のように扱い、労働条件が劣悪なものになってしまったりするということはよく見られる事例です」(以下、「」は近藤氏)