遊び慣れない男性は営業トークを脳内変換
捜査関係者の話によれば、和久井容疑者は自身のバイクや車を売った金で「被害者である女性に1800万円使った」とも話しているという。集英社オンラインが#2で報じた和久井容疑者の父親の話では、「(Aさんから)『本気で結婚するなら車とかバイクを処分してお金にしてくれ』と言われ、お金を渡した後に冷たくされた」という証言があった。
そして、つきまとい行為を繰り返した結果、2022年5月にストーカー規制法違反容疑で逮捕。釈放後は接近禁止命令が出されていたが、昨年6月にその有効期間が満了を迎えたこともあって解除されていた。
そのなかで起きた今回の事件は、和久井容疑者が趣味で所有していたものを売り払ってまで工面したお金を「騙し取られた」と一方的に恨みを募らせ、凶行に及んだと見られている。
また、#3で報じたところでは、Aさんは18歳で銀座でキャバクラ嬢としてデビュー。だが当時はパッとせずに1年で退職、ひきこもり生活を経た後に再び銀座のキャバクラに入店し、人気キャバ嬢となってナンバー1へ。そして、経営者として上野の湯島エリアにガールズバーやキャバクラ「C」をオープンした経歴があることが明らかになっている。
事件の全容が徐々に明らかになるなか、同業者は今回の事件をどう見たのか。歌舞伎町で働く25歳のキャバ嬢はこう言う。
「キャバクラなんだから、女の子も商売なんだっていう線引きができない男性が悪いと思う。たとえ結婚をほのめかされたとしても『何か裏があるのでは?』と疑わないと。
やっぱり遊び慣れてない男性はこういう罠に引っかかりやすいですよね。まあそれで成り立っている業種でもあるのですが……」
23歳の六本木のキャバクラ嬢はストーカー化する客の共通点をこう語る。
「金持ちの客がストーカー化するのは見たことなくて、だいたい今回の加害者みたいにギリギリで遊んでる人がなるイメージ。こういう男はキャバ嬢が『また会いたい!』って営業トークをすると『俺に会えてうれしかったんだ!』と勝手に脳内変換して本気になるんです。それがこの商売の恐ろしさだから、明日は我が身と思って気をつけます」