首相の「安倍派分断」は成功したのか
一言で「処分を受けた」と言っても、それぞれ異なった道を歩み始めた安倍派幹部ら。これこそが首相のねらいだったと安倍派議員は分析する。
「離党勧告から党員資格停止(1年と半年)、党役職停止と細かく分けることで、『あいつは俺より処分が軽かった』『なんで俺がこの処分だったんだ』と安倍派幹部を分断させ、『岸田おろし』でまとまることを防ぐねらいがあったのだろう」
それでも「首相の処分がないのはおかしい」との怒りのマグマは溜まり、首相の求心力には陰りがみられる。
自民党関係者は「夏前のたった4万円の定額減税で、支持を集められると思うか? 政治資金規正法の改正も、議員の反発を招く。裏金問題がホットなうちに解散されると困る議員が大勢いるし、今の首相にはとても6月に解散する力なんてないのでは」とみる。
安倍派議員も「派閥がなくなっても、分断されようとも、これからも後輩議員の面倒は見続ける」と宣言。「岸田首相の看板では選挙は戦えない」との危機感は強まり、9月の総裁選に向けた多数派工作は始まっている。
分断された安倍派は逆襲に打って出られるか。多数派工作VS分断工作の行方は……?
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班