アニメ史に残る驚異の視聴率39.9%
およそ34年間、主人公・まる子を演じてきたTARAKOさんだが、同作ではこれまでに、おじいちゃん・友蔵の声優は1995年まで富山敬さんが務め、その後2010年に青野武さんから島田敏さんへ、お姉ちゃん・さきこの声優が、2016年に水谷優子さんから豊嶋真千子さんへ、そして、ナレーションの声優が、2021年にキートン山田さんからきむらきょうやさんへ受け継がれるなど、何度か交代をしている。
それでも作品は変わらぬクオリティを保ち、日本国民すべての世代が『ちびまる子ちゃん』世代と言っていいほどに人気を集めてきた。
今回、1990年代初期のオープニング映像を見て「懐かしい!」と声があがったり、2000年代のエンディングを見て「地上波でまた見られるなんてうれしい」と喜びの声があがっていることこそ、その証拠だろう。10代、20代、30代…、60代、70代も、それぞれの世代が、それぞれ『ちびまる子ちゃん』への想いをもっている、まさに日本を代表する国民的アニメだ。
そしてそんな違う世代の人々を繋ぎ、全員にとっての共通言語となっていたのは、間違いなくTARAKOさんの声だった。
1990年に記録した、日本アニメ史上最高の視聴率39.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)は、今後、おそらくもう破られることはないだろう。TARAKOさんとともに作ってきた思い出は、この先もずっと多くの視聴者の中で生き続ける。
取材・文/集英社オンライン編集部