新庄監督は清宮をどう育てるつもりなのか?
ただ、清宮にも同情する余地はある。日本ハムは新庄監督の考えから、3球目までのストライクは必ず振りに行け、というような指示が浸透している。積極性は良いが、私はタイプによりけりだと思う。
清宮のようなじっくり構えるタイプなら、むしろ配球を読ませて勝負すべきではないか。今の清宮は相手投手とではなく、自軍のベンチを意識して打席に入っているように見えることもある。
また、監督の命令でオフに減量したとか。確かに腰のキレはスムーズになったかもしれないが、ホームラン打者としてのどっしり感はなくなり、怖さが減った。新庄監督は清宮をどう育てようと思っているのか。ミート主体でホームランはヒットの延長、といったイメージなのだとしたら、私は逆のように思う。
経験上、高卒でプロ入りした野手の場合、伸びるのは4年目くらいまでだ。その後は、どうしても伸びしろは減ってしまう。村上は理想的に、期待通り育った。ジャパンの4番候補には、あれこれ口を出す必要もないだろう。だが清宮は心配だ。大きなお世話でなければいいのだが……。
構成/木村公一 写真/小池義弘