急激な気圧の変化に注意を
また、投薬による治療以外にも、生活リズムを整えて、安静に過ごすことも大切です。難聴の悩みのある人は、以下のことに注意して過ごしましょう。
1 耳への負担を軽減
大音量で音楽を長時間聴かないようにする。 飛行機に乗る、高地にドライブにいく、列車でトンネルを通るなど、急激な気圧変化にさらされる状況に注意する。
2 ストレス対策をする
本を読む、ゆったりとした音楽を聴く、リッラクスできる香りをかぐ、同じ姿勢ばかりにならない、自然に触れる、マインドフルネスやアーシングをするなど自分がリラックスできるようにする。
3 食習慣に気をつける
<おすすめの食材、栄養素>
・抗酸化、ストレス対策として :ビタミンC 、パプリカ・芽キャベツ・レモン・ゴーヤ
・聴覚に関係するミネラル補給として
亜鉛なら →牡蠣・きなこ・のり・ソラマメ・ごま
マグネシウムなら →玄米・大豆・わかめ・ほうれん草・アーモンド
・神経栄養として:ビタミンB群(特にビタミンB12) さんま・牡蠣・あさり
4 睡眠時間、睡眠のリズム(早寝早起き)を大切にする
睡眠の3大要素、「長さ、リズム、質」を改善する。睡眠時無呼吸症候群なども注意するように。
特に寝室環境は、しっかりと暗い部屋で寝る、寝床周辺にスマホや電子機器を置かないようにする。また、室温温度差を作らないように。特に冬季は室温を常に18℃以上を保つよう心がける。
5 体を動かす
少しでもいいので、運動習慣をつけるようにするとストレス対策にも。
突発性難聴は同じ耳には再発しないとされています。もし難聴を繰り返すようであれば、メニエール病や聴神経腫瘍など、他の病気の可能性もあります。
また、同じ難聴でも「急性低音障害型難聴」という疾患があります。単純にいうと、突発性難聴よりも、難聴の程度が軽く、低音を中心に難聴をきたす疾患です。
めまいを伴う代表的な病気であるメニエール病も、同様の低音の難聴をきたします。
突発性難聴では、ほとんどの方が難聴・聞こえが悪くなったことを自覚できると思いますが、低音障害型難聴は、難聴という病名ながら意外に症状を自覚しない方も多くいます。「耳鳴りがする」「耳がつまった感じがする」「音が耳に響く」という訴えで当院に来院されることもしばしばあります。
診断を確定させるためにも、こうした症状が気になったときは、できるだけ早期に耳鼻咽喉科を受診しましょう。
取材・文/百田なつき