他人に依存できることが真の自立

話は戻ります。整形外科での診察でミーの今後については、①義足を使わず車椅子で生活する場合はトイレ、お風呂の介助がずっと必要になること ②トイレだけでも一人できるようにするための義足をつけるか、その場合もリハビリが必要になること、などを本人、家族、病院の相談員、ケースワーカーの方々と相談することになりました。

診察の間ほとんど無言だったミーでしたが、12月10日に倉敷市で講談「はだしのゲン」を主催してくれた岡山「被爆2世・3世の会」の皆さんからの寄せ書きを手渡したときは、笑顔になって「もらえるの、うれしい」と言ってくれました。

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2度にわたる大けがなど、ミーと生活していく中では心が張り裂けそうになることが何度もありましたが、私は他人に依存できることが真の自立なのだと蟻塚先生から教わりました。

一人で悩んでいると50の悩みが100の悩みになってしまいます。しかし、困ったとき、悲しいときは、それを他人に相談するすべきであるとあらためて考え直したのです。

まだ統合失調症という病気については、いわれなき偏見もつきまといます。けれど、今まで講談師として悲しみを背負った方々の話をかけてきた私は、私事だからとあえて封印してきた”自分語り”をこれからしていこうと決意しました。

講談も自分語りも、私の語りで元気になってくれる方がいるということ、それは講談師冥利に尽きると言っても言い過ぎではないのですから。長文おつきあい、ありがとうございました。


文/神田香織

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