画像を加工する前に「現実を見よう」
では実際に、どの程度まで加工してよいのだろうか。まずは、強烈な加工事例を見てほしい。
目の大きさを最大にして、顔を最小まで小さくしていると、こうした宇宙人のような画像になる。実際の顔が気になるところだが、ハイスペ総研のYouTubeに登場しているので、ぜひ見比べてほしい。
続いて、一般の女性の顔写真をハイスペ総研の方に加工してもらった。
個人的にはNG画像もかわいいと思うが、どうしたって“宇宙人感”が否めない。
「加工アプリのレベルを最大まで上げると、人間らしさが薄くなってしまいます。特に肌の質感がつるつるすぎて不自然ですね」
OK画像のポイントはこうだ。
「いかにナチュラルに盛るか、がポイントです! 画像全体をワントーン明るくして、肌を全体的に自然なレベルで加工しています。蛍光灯の下で撮影すると顔に影ができやすいので、屋外で撮れるとよいですね」
続いて、実際に一般男性に自作してもらったNG画像とハイスペ総研の方に作っていただいたOK画像を紹介する。
NG画像は男性本人が自作で調査でランキング上位だった肌・目・輪郭のすべてを加工し、コンプレックスな鼻も加工したとういうが…
「このNG画像は完全に別人ですよね……。OK画像では、肌色を健康的に補正しただけです」
しかしこれらのOK画像は、実際の婚活戦線ではおそらく通用しない。そこで、実際に婚活に臨む場合を想定し、プロフィール画像の撮影時に対策すべきポイントを聞いた。
「まず、スウェットやTシャツはやめましょう。マッチングアプリでそういった服装の画像を見た人は『この格好でデートに来るのかな?』と思ってしまいます。男性なら上品なニットやシャツ、女性なら二の腕や首を出すような服を着て。
それから男性のヒゲは小綺麗さを意識して、髪型もデートを想定して整えたほうがいいですね。
そして男女とも、自然光の下で撮影すること。男性でたまに『トイレで撮影した』という人もいるのですが、明らかにトイレだなとわかる写真はとても不評です。
あとは、プロフィール画像の他に、友人と食事しているときや、誰かの結婚式に参加したときの画像など、自然体の姿や人柄が伝わるような画像を併せて掲載するのもおすすめですよ」
最後に、改めて画像加工の極意を聞いた。
「とにかく、やりすぎないこと。マッチングアプリの目的は恋愛や結婚なので、結局どんなに写真を加工しても、実際に会ってみて別人と思われてはなんの意味もありません。むしろ、『過剰に盛る性格の人』『ちょっとした嘘をつく人』といった不信感につながる可能性も。写真に自分の理想を反映せず、本体を変える努力をしましょう。実際に婚活するのは、まぎれもない“現実の自分”なんですから」
取材・文/金指 歩