その場にいる全員が満足できるような工夫を
「おむすびは男女ともに人気のメニューでした。忙しい撮影でも片手でさっと食べられるように小ぶりに作っていたんです。様々なメンバーが集まる現場で全員に満足してもらえるように、ハーブご飯などのユニークなメニューと、ちりめん山椒や梅干しなどの定番メニューと両方を用意していました」と熊谷さんは話す。
「ここぞ、という表紙の撮影でも、『ネコメシ。』こと熊谷さんのケータリングはパワーをくれた。美味しいお弁当があればそれだけで撮影に安心して臨める。見た目にも鮮やかなすだち薫る混ぜ飯に花びらを散らしたフルーツ、唐揚げ…と全部好きでしたが、一番はおむすびと煮卵。当日の撮影スタッフの人数で割って『余り』を秒で計算してこっそり頂いていました…。熊谷さんが営んでいた三宿の『黒猫』にもカメラマンと訪れましたが、何とも蠱惑的なムードでした。」 ーー吉崎哲一郎 UOMO副編集長
米は『ネコメシ。』用に、時間が経っても美味しく食べられるようお米マイスターにブレンドしてもらっていた。「特に変わった炊き方はしていないのですが、羽釜で炊くと冷めてもモチモチとした食感が残ります」
<山椒おむすび>
① アク抜きをした実山椒とちりめんを、酒、正油、砂糖を煮立たせた鍋に入れ、強火で炒る。
② 炊き立てのご飯にちりめん山椒を混ぜる。
③ 多めの手塩をし、おむすびを握る。
④ 通気性を良くし、乾燥しないように冷ます。
今回は、現場で実際に人気があったメニュー3品について紹介した。そのどれも、熊谷さんの細やかな気遣いと精細でユニークな工夫が込められている、『ネコメシ。』を象徴するもの。次回は家庭でも手軽にできる「唐揚げ」などのレシピと、その美味しさの秘訣について熊谷さんにお伺いする。
写真/猪原悠 取材・文/平井莉生、川端うの(FIUME Inc.)