「旅行が気分をアゲるものだとしたら、二拠点生活は気分を鎮めるもの」
茅ケ崎での週末の過ごし方について聞いてみた。
「特に何をするでもない、着いてすぐ昼寝するときもあるし(笑)。やることの選択肢が少ないのが、のんびりできてまたいい。いつも行く蕎麦屋さんで蕎麦を食べて、図書館で本を借りてひなたぼっこしながら読んで、海を散歩するぐらい。
あとは自転車で近所の農園に行って新鮮な野菜を買って料理したり、東京へ持って帰ったりするのも楽しみ」
まだサーフィンを再開することはできていないというが、その目的もほどなく叶いそうだ。
何ともうらやましい、海の目の前の二拠点目ライフだが、ホテルに泊まる旅行ではなく、家賃の支払いが生じる賃貸契約を選んだのはなぜなのか。
「私は岡山出身で、中学高校のときはずーっと自転車生活。どこへでも自転車で行っていたそのころのような、なつかしくも気楽な感覚が茅ヶ崎にはあるね。岡山の実家がなくなった私にとって、ここは『もう一つの地元』感がある貴重な場所で、旅行では持ちえない感覚なんです。
ビーチサンダル履いて床屋さんへ行って、居眠りしながら散髪してもらったり、中学生に戻ったようでもあるし、引退して爺さんになる練習をしているようでもあり(笑)。旅行が気分をアゲるものだとしたら、二拠点生活は気分を鎮めるもの、かな」