「やるなら人目につかない場所でやってくれ」

今回、現場となった郊外型大型モールは、1999年に「ジャスコ川之江ショッピングセンター」として開業。2011年に「イオンタウン川之江」と改称し、2021年9月30日にリニューアルオープン。その後、2022年8月11日に敷地内にオープンしたのが「スターバックスイオンタウン川之江店」だ。

近くに住む50代の女性はこう肩を落とす。

「もともと新居浜のイオンのほうが店舗数も多くて、川之江のほうは地元の人が圧倒的に多かっただけに、こんな発砲事件が起こるとは夢にも思わなかったです。あそこは休日ともなると家族連れで賑わうところだっただけに、ほかに負傷者が出なかったのは不幸中の幸いと言いますか...。

あそこが開店するまではスタバも新居浜のイオンぐらいにしかなかったので、近所の人たちも喜んでいたし、私も友達とお茶したり、一人でゆっくりしたいときに使っていたので、今回の事件は残念でなりません。犯人も見つかっていないようですし、今はパートに出るとき以外はできるだけ自宅にいるようにしています」

※写真はイメージです
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イオンタウン川之江店内の店舗でサービス業につく男性従業員(30代)は、事件の衝撃からまだ興奮が冷めやらない。

「店内でお客さまの接客をしていると、いきなり外から『パンッ!パンッ!パンッ!』と乾いた発砲音が数発聞こえました。近くに工場も多いので、最初は『どこかの工場内でタイヤでも破裂したのかな?』と思っていたんですけど、10分後くらいにサイレンを鳴らした警察車両4台と、救急車、消防車が1台ずつスタバの前に止まり、すぐに入り口付近がブルーシートで覆われて、1時間後にニュースで発砲事件だったことを知りました。

犯人が逃走したということで、警察の方が『防犯カメラの映像を提供してほしい』と要請に来られました。その後の営業はお客さまの安全が第一との判断で、その日ご来店予定の方にはキャンセルを入れさせていただき、ほぼ休業という形で対応しました。月曜日からは通常営業に戻しましたが、お客さまのなかには『犯人が見つかるまで怖いよね』と不安を口にされる方も多いですね」

敷地内のドラッグストア店の30代の男性従業員はこう語る。

「同じイオンの敷地内でも、スタバは駐車場の付近で独立して店舗を構えているので、事件当時は発砲音も聞こえずに普通に営業してました。1時間後くらいにイオンタウンの職員がやってきて初めて事件を知らされて、私から店のスタッフに説明しました。

しかし、ここら辺はのどかな田舎で、まさかそんな物騒な事件が起こるとは夢にも思わなかったようで、みんな『はあ、そうなんですか』と口をポカーンと開けていました。翌日、再びイオンタウンの職員が『現在は警備員を増やして警戒にあたっています』と説明に来ましたけど、事件の影響でかなりお客さんは減りましたし、常連の方からは『怖い』といった声も多いので、早く犯人を捕まえてほしいですね」

昨年、東京・町田では拳銃が使われた殺人事件が起きた(読者提供)
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モール内の店舗に務める30代の女性も不安そうだ。

「当時は逃走犯も50代ぐらいの男という情報しかない段階だったので、『もし犯人が来たらどうしよう...』と不安ななか営業を続けていました。帰りにスタバをチラッと見たら、パトカーが何台も止まっていて、警察の方もせわしなく動いていました。市内では『不審者を見つけたらすぐに通報してください』というアナウンスも流れていたし、ふだんでは考えられないほどのパトカーが出ていて、事件当日は街全体が異様な雰囲気でした。

去年も東京のドトールで同じような事件がありましたが、そんなのは都会でしか起きないことだと思っていたので、本当にビックリしてます。私たちのような一般市民が使う施設で、そういう事件を起こすのはやめてほしい。不謹慎かもしれませんが、やるならせめて人目につかない場所でやってくれって感じです」

かつては盃を交えた2人の間に何があったのかは今後の捜査しだいだが、一般市民に危害が及ぶことだけは避けてもらいたい。


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取材・文 集英社オンラインニュース班