「俺、エンジンコータローと表裏一体だ!」
――売れていない芸人さんといえば、永野さんも推薦人として出演した『水曜日のダウンタウン』(TBS)の「スベリ-1 GP」で優勝したエンジンコータローさんを最近取材したんですが、スベリ芸人の烙印を押されたので、今後の仕事をどうしていいか悩んでいました。
いやいやいや、優秀な大人の言うことを聞いて、すべて任せておけばいいんですよ。おまえは何も考えるな!
僕が思うにエンジンはナイーブすぎるんです。自分が推薦したゆきおとこさんや、ギブ↑大久保さんは違いました。どんなカタチであれ、テレビに呼ばれたことでテンションが上がっているんですよ。
ゆきおとこさんなんて、後日、ご丁寧に僕へお礼の手紙をくれましたし、ギブ↑大久保さんに関しては「ギブ↑大久保と『水曜日のダウンタウン』のオンエアを見よう」みたいな企画ライブもやったらしいですから。さすがですよ。何事もおいしいと思うマインドは大事ですよね。かっこいいです。
――「スベリ-1 GP」はプラスにとらえていいですよね。
大チャンスだと思います。僕、2016年あたりの『日経エンタテインメント!』で「つまらない芸人」の1位に選ばれているんですよ。ということは、僕もエンジンと一緒なんです。
僕も不思議なことをやる地下芸人だったので、そこもエンジンと一緒。ラッセンのネタなんて、何を言っているかわからないけど、リズムネタで万人にわかりやすいから、たまたま世に出ただけですよ。もし僕がブレイクする前にドッキリで「スベリ-1 GP」に呼ばれていたら、シュールなネタをやって、エンジンになっていた可能性が高い。
実は収録中に「俺、エンジンコータローと表裏一体だ!」と思ったんです。だから、エンジンのネタを見ていて、「危ねぇ!」と思って笑えなかったです(笑)。
――エンジンコータローさんが永野さんのようにメジャーになるにはどうすればいいですか?
マジでなんでも受け入れて経験するべきだと思います。「サムい芸人が来た」とイジられるような営業に呼ばれたとしても、それでお金をもらえるんなら行けばいい。逆に、もしそこでウケたら、こっちのもんじゃないですか。
だから、「エンジンよ。開放せよ」と言いたいです(笑)。
――いつのまにか新成人ではなく、41歳のエンジンコータローさんへのアドバイスになってしまいましたね(笑)。
昔の自分を見ているようで気になるんですよ……。だって、41歳のシュールっていちばんヤバいじゃないですか(笑)。
取材・文/インタビューマン山下 撮影/井上たろう