『エンタ』に出て、ネタにこだわっている芸人ってバカじゃないですか?
――これから社会に出る新成人も多いですが、何か助言はありますか?
若いときって大人とぶつかりがちというか、我を通しがちじゃないですか。そういう時期もあっていいかもしれないけど、大人が言うことにいちいち目くじらを立てず、何事も受け入れてみるのも悪くないですよ。
たまには大人と激論を交わしてもいいけど、合気道みたいに気持ちよくいなせばいいんじゃないですかね。嫌な言い方ですけど、当たり障りなく適当にあしらえばいいんですよ(笑)。
――ときには大人の意見にうまく合わせて受け入れてみるのもありだと。
はい。そのうえで“自分の味”を足してみるとか。やり方はいろいろありますよ。
昔、『エンタの神様』(日本テレビ)で「ゴッホより普通にラッセンが好き」のネタをやったことがあったんですけど、収録中にスタッフが2畳分くらいのカンペに「コーヒーより普通にコーラが好き」とか書いていて。僕はそれを受け入れてノリノリでやったら、スタッフも大喜びでしたよ(笑)。
――永野さんはネタにこだわりを持っていそうなイメージだったので意外です。
TPOに合わせますね。『エンタ』をバカにしているわけじゃないけど、『エンタ』に出て、ネタにこだわっている芸人ってバカじゃないですか?
あるコント師がネタにこだわって『エンタ』のスタッフと議論していましたけど、「この人、何を考えているんだろう?」と思って。『エンタ』を誰もそんなに真剣に見ないよっていう(笑)。
――『エンタ』の視聴者はお笑いのコアファンではなく、ファミリー層が多いから、そこに合わせるべきだと。
そうです。意外だと思われるんですけど、僕、昔から営業で下ネタや毒のあることは基本的に言わないんです。目の前のお客さんが悲しむのは嫌なので。
逆にテレビとかでは、毒のあることを言うと、スタッフが笑ってくれるから言いますしね。そこはTPOに合わせて。求められたことをやるだけです。