最高のまま終わらせたい。樺澤まどかの美学
――樺澤さんが退社してまでやりたかったことが、今回発表された海外移住。オーストラリア・シドニーに移住されるとか。
はい。マンリービーチという海の近くにある語学学校に通いながら、近くのホステル(相部屋形式の宿泊施設)に住む予定です。
――語学学校に通われるということは、現在英語が堪能というわけではないんですね。
そもそも今回の移住の目的が、英語の習得なんです。昨年末コロナにかかってしまい、ひとり暮らしということもあって非常にキツかったんです。毎日自宅のベッドで「このままどうしよう」「明日目が覚めないかもしれない」と考えていたら、「死ぬ前にやり残したことはないかな?」とふと思ったんです。
そこで、大学生のとき「海外に住んで英語しゃべってたらカッコいいな」と憧れていたことを思い出して。
――語学力を身につけ仕事の幅を広げる、といった目的があるのでしょうか。
仕事に活かしたいという気は今のところありません。カッコいいから、英語がしゃべれるようになりたいんです。英語がしゃべれたらカッコよくないですか?(笑)
――確かに、カッコよくはあります。一方で、“カッコよさ”のために仕事をやめる樺澤さんの胆力に驚いてもいます。歌手活動をやめられたときも、1年間で築いた人気を手放すことにまったく未練がないように見えました。
昨年アイドルを引退したときは、「人気的にも楽しさ的にも今がピークだな」って思ったんですよね。これ以上続けて、つらいことや悲しいことがきっかけでアイドルをやめたくはない。一番いいときにやめたかったんです。
今回も悩みましたが、やはり最後に思ったのは「今が一番なんだろうな」ってこと。かまいたち、とろサーモンとの関係性が良好で2組とも仕事が順調。さらに吉本の上司や後輩にも恵まれて、毎日本当に最高の環境だったんですよ。
――今が最高だからこそ、最高なままで幕を引きたい、ということでしょうか。
はい。「今が最高だから、このままでいたい」という考えももちろんあるんでしょうけど、私はそうではなくて。何ごともいつかは終わってしまうし、どうせ終わってしまうのなら自分の判断で、最高のところで終わらせたい。これは私の中の美学といえるかもしれませんね。