「増税クソメガネ」批判はやまず、「自民が8ポイント差で負け」の衝撃。

衆院長崎4区補選は、北村誠吾・元地方創生相の死去に伴うもので、金子原二郎・元農水相の長男・容三氏が出馬。
亡くなった北村氏と金子氏の父・原二郎氏はともに岸田派に所属していたこともあり、長崎4区の補選は「岸田派の選挙」として、連日、同派の議員らが応援に駆けつけている。
しかし、地元は一枚岩とは到底言い難い状況だという。

「北村氏が後継指名していた県議が公認候補に選ばれず、北村氏の陣営が金子氏の応援に動いていないのです。また、金子氏には世襲批判もあり、弔い選挙にもかかわらず、金子氏が思うように差をつけられず、接戦となっています」(全国紙政治部記者)

長崎県平戸市で遊説中の金子容三氏(公式ホームページより)
長崎県平戸市で遊説中の金子容三氏(公式ホームページより)
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一方、長崎4区補選の同日には、参院徳島・高知選挙区の補選もある。

「高野光二郎氏の暴力問題による辞職に伴うものです。自民は元高知県議の西内健氏、野党側は、立憲で衆院議員を務めた広田一氏を無所属で擁立。いずれも高知を地盤とする候補者です」(同)

この補選をめぐって永田町に出回っているデータは関係者に衝撃を与えている。9月下旬の自民党調査では参院の高知・徳島で自民候補が8ポイント差で負け、立憲調査でも自民候補が3~4ポイント負けているというものだ。

「自民の調査では、徳島では自民・西内氏がわずかに先行しているものの、高知は知名度のある広田氏が10ポイント以上差をつけています。
参院徳島・高知選挙区は、もともとは自民議員の地盤だった選挙区。仮に2つとも補選で負けると、岸田首相の求心力低下は免れません。
『ドリル優子』こと小渕優子氏を選挙の顔となる選挙対策委員長に就けた判断の責任も問われるでしょう」(自民党関係者)

選挙活動をする西内健氏(本人Facebookより)
選挙活動をする西内健氏(本人Facebookより)

2補選で自民が苦戦している背景には、内閣支持率が低下していることもある。NHKが10月7~9日に実施した世論調査では、内閣支持率は36%と相変わらず低迷。
10月1日から始まったインボイス制度や、防衛費増額のためのたばこ税増額などを受け、SNSでは首相に対し「増税クソメガネ」との批判が噴出している。
こうした批判を気にして、首相は9月25日、賃上げ促進税制を強化するなどの「減税」をアピールした。

ただ、自民党内からは「いくら『減税』といっても、実態は企業への還元で、生活者個人への還元ではない。ストックオプション税制の充実などと言われても、一部にしか恩恵はない。
そこを見透かされているので、『増税クソメガネ』批判は今後も続くのでは」(中堅議員)との声が漏れる。