音楽に国境はない。言語の違いもない

言わずもがな、YOSHIKIは日本の偉大なミュージシャンだが、アメリカでの評判はどうか。

これまでゴールデングローブ賞やハリウッド映画のテーマソングを作曲し、マディソン・スクエア・ガーデン(アメリカ)、カーネギーホール(アメリカ)、ウェンブリーアリーナ(イギリス)という世界3大音楽聖地での公演を成功させた唯一のアジア人として知られている。

今年10月には、ソロワールドツアー「YOSHIKI CLASSICAL 10th Anniversary World Tour with Orchestra 2023 ‘REQUIEM’」がロイヤルアルバートホール(イギリス)、ドルビーシアター(アメリカ)、カーネギーホールで行われる。アメリカでもすでに盛んに宣伝がされており、メディアで多く取り上げられているのが現状だ。

主要音楽メディアである「Billboard」や「Consequence of Sound」も、YOSHKIのことを「日本から来たもっとも影響力のあるミュージシャン・コンポーザー・プロデューサー」と呼んでいる。

ただし、筆者がYOSHIKIと出会った13年前は、アメリカではまだ無名のミュージシャンだった。日本では東京ドームを満員にしたスーパースターだが、10年前のピアノソロコンサートでは、会場に空席が目立っていたこともある。日本では考えられない小規模の会場で演奏をしているのも見てきた。

それでも、コンサート後の楽屋ではいつだって余裕のある表情で「来てくれてありがとう」と挨拶し、ゲストに最大限の感謝を伝えてくれる。「1から出発」とめげずに、着実に活動を続けて実績を積む必要性を、彼は知っていたのだ。

『YOSHIKI:UNDER THE SKY』のLA プレミア後に行われたABC チャンネルのインタビューでは、「アメリカでは知らない人もいますが、グローバルには知る人ぞ知るスーパースターです」と紹介されていた。その言葉通り、全米の誰もが知る存在ではないが、ロックファンの多くは彼の名前をすでに認知しているし、業界の重要人物であることに変わりはない。ABCチャンネルのインタビュアーはさらにこう続け、賛辞を送った。

「マイケル・ジャクソン、プリンス、レッド・ツェッペリン、リベラーチェを1人で全部兼ね備えているロックスター。相反する要素がミックスされていて、ユニークで、興味をそそられるクリエーションをしている、まさにルネッサンス・マン(さまざまな分野で功績のある万能の人)です」

YOSHIKIはいつも「音楽に国境はない。言語の違いもない。音楽そのものが言語となって心をつないでくれる」と語る。2014年にNYのマディソン・スクエア・ガーデンで行われたX JAPANのコンサートでも、今年2月にLAのパレイディアム行われたTHE LAST ROCKERSのコンサートでも、国境を越え、人種を越え、年齢を超えたファンが集まり、彼が創り出すサウンドに酔いしれていた。

現地のファンの中には、「優しさ、激しさ、怒り、深い愛が空中に充満していて、理由もなく泣けてくる。それはテクニックから発生するものではなく、演奏しているYOSHIKIの中から生まれ出ている。だからたまらない」とコメントをする人も。観客にエモーションをストレートにぶつけてくるYOSHIKIの音楽は、アメリカでも確かに轟いているのだ。