「“痴漢”って専用の言葉があるのは日本だけ」
――そんな目標があって芸能界に入られたんですね。
性被害にあってはしまったものの、「私みたいなのでも好きになって、応援してくれる人がいるんだ。だったらそれを何かを変える力にしよう」って考えも出てきました。
芸能界って何もなくても入れる世界でもあるじゃないですか。私は幼少期、男の子に間違われるような見た目だったけど、小学校高学年から容姿を磨くようになったんです。それで中学生になったら“いつか仕事につながるかな”と、SNSでよく知らない作品のコスプレを投稿したり、撮影会にも参加してました。
――日本を“痴漢大国”とポスト(ツイート)していました。
「痴漢」って言葉は日本でしか聞かないんですよ。そんな専用の言葉があるのも恥ずかしいことだし、それに痴漢とか性被害にあった女性に対して、「あなたも悪いよ」と追い打ちをかけるなんてどうかしてるし、ありえない。
いじめられる側にも問題があるって考えと似てると思います。
今回の件で私の意見がまだ劣勢にも感じたので、それがまずは逆になるべきですね。そうしたら被害を相談できる女の子も増えるだろうし、被害者に優しくする人が増えて、自分を責めてしまう女の子がいなくなるんじゃないでしょうか。
――実際、芸能人になって、影響力を持って発信してみてどうですか?
少し話題になって議論みたいなことになったんで、やっぱり人の目につくことは大切だなと改めて思いました。
でもまだまだ自分は力不足なので、性被害に対する認識を変えるために発信は続けていきたいです。
――SNSでの発信以外で何か行動を起こすことは考えていますか?
全然まだ考え中で、目標にはなっちゃうんですけど、私自身、バストアップの美容サロンでも働きながら勉強中なので、美容系などでSNSのブランディングに関係したお仕事をして、女性がきれいになって自信をつけられるお手伝いができたらと思ってます。
自信がつけば性被害にあっても、自分を責めることなく抵抗できるんじゃないかなと思うので。
男性に頼るのはいいけど、依存すると何もできなくなる。しっかりとした軸を持った女性像を私も目指してるし、そんな女性を増やしていきたいです。賢く可愛く生きるみたいな。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班 撮影/村上庄吾