管理職に相談したら説教の代わりに露骨な無視に…
一方、主幹に抜擢されるだけあって、北村容疑者は担当する理科の授業については「わかりやすくて楽しい」と生徒に評判だった。しかし、元同僚の女性は続ける。
「生徒たちからは『北村先生はとても怖い目をするときがある。雰囲気が怖くて、蛇みたいなあの目で睨まれると石みたいに固まってしまう』という話をよく聞いてました。鋭い目つきで生徒たちに有無を言わせないような説教をしていたようです。私も当初は悪い印象は持っていなかったのですが、担任と副担任というペアの関係になってから、生徒たちの言うことがもっともだと身にしみてわかるようになりました。とても怖い目つきで、反論させないような説教の仕方なんです」
女性が北村主幹との関係に苦しみ出すと、助け舟を出す周りの教員もいた。「このままではウツになる」と管理職に相談したこともあったが、逆にそのことが北村容疑者に伝わり、すると今度は説教の代わりに露骨な無視が始まったという。
「あのころのことはずっとトラウマです。当時はいっぱいいっぱいで何度も夢でうなされることもありました。担任と副担任のペア期間は1年間でしたが、それだけ追い詰められたので、同じようなパワハラ被害に遭ってる人もいるんじゃないかと心配していました」
女性はそのショックもあってか、その後退職した。今も北村容疑者によるトラウマが残っているという。
「いつかパワハラで問題になるのではないかとは思っていましたが、まさかわいせつ事案で逮捕されるとは驚きでした。でも当時から理科の担当だったので、理科準備室のような自由に使える密室もあったし、進路指導の先生でもあったから個人で呼び出しもできた立場です。もしかしたらと思うとゾッとします」
校長の不祥事の尻ぬぐいに追われる三原台中は12日に緊急保護者会を開催、全校生徒550人のうち約300人の保護者が参加、13日には保護者向けにアンケートを配った。
3年生の男子を持つ40代の母親は保護者会の様子をこう語る。
「保護者会では始まる前からみなさん不安そうな顔つきでした。(逮捕容疑が以前の勤務校だったので)やはり口にしていたのは、三原台中でも盗撮や性被害があったのかどうかですね。保護者会では、練馬区の教育委員会と三原台中の職員が北村校長の逮捕について謝罪したあとに、事件の経緯を説明しましたが、ほぼ報道通りで目新しいことは言ってなかったと思います。13日に配られたアンケートについても、この場で説明がありました。体調と精神面、ストレスなどを調べて問題が見られた児童についてはカウンセラーなどと協力して対処していくという内容で、区役所での会見内容と変わらない中身でしたね。報道から1日経っているし、保護者だけがいる場なのでもっと踏み込んだ発言を期待していたんですけどね」