孤独死した人の遺骨はどこへ

問題は、遺骨の埋葬だそうだ。

「ご親族がご遺骨だけでも引き取ってくれればいいのですが、それを拒否されると、自治体や我々の方で埋葬場所を探さなければなりません。これが難しいのです。

自治体が公営の霊園を所有していれば、そこの無縁塚に無償で納めることになります。それがない場合は、民間のお寺さんなどに頼むしかありません。無償、あるいは格安で引き取ってもらい、そこの無縁塚に入れるのです。

厄介なのは、引き取り手がいない場合、火葬にしたご遺骨をすぐには無縁塚に納められないことです。新たに引き取り手が出てくる可能性を考慮して、二年なら二年、五年なら五年と一定期間保管しなければならない。この期間は自治体によって違います。問題は、その期間誰がどこでご遺骨を保管しておくかということなのです」

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自治体の持っている霊園に遺骨の安置所があればいい。だが、そうでなければ、次のうちどちらかの方法をとることになる。

・葬儀会社が無償で預かる。
・自治体が保管する。


前者は、自治体から依頼を受けた葬儀会社が、無縁塚への埋葬の日まで遺骨を預かるということだ。

これは葬儀会社にとっても苦渋の決断だ。こうした仕事の受注を増やしたければ、葬儀会社は自治体に良い顔をしておいた方が得だ。遺骨を預かっておけば、自治体からサービスが手厚いと思われ、同様の仕事の依頼が舞い込みやすくなる。

葬儀会社の負担は、遺骨の保管スペースだ。遺骨の数が一つ二つであれば、事務所のどこかに置いておくことができるが、それ以上の数になるとそうはいかなくなる。そのため、最初は空いているスペースに置いていたものが、だんだんと手狭になり、専用の保管場所を借りるか作るかしなければならなくなる。